なら作ればいいんじゃない?となるのは道理だ。 普通に考えればPUNK WORK SHOPボタンも売っているし、基盤もRaspberry Pico GP2040で組めばいいだけだ。それはそう。 問題はPUNK WORK SHOPは前傾斜があることだ。
アクリル製のレバーレスケースはいくつか有名な販売者がいてBooth(くろまき工房さんとか)などで販売されいてる。ただどれも前傾斜がなく四角いボックスの形状となっている。アケコンは膝置きが主流のためなのか、もしくは前傾斜の角度で好みが出るのを嫌っているのだと思う。 しかしボクは机に置いてやりたい派なので、極力薄型で前傾斜というPUNK WORK SHOPの形が理想。もちろん当たり前のように図面がその辺にころがっているわけではなく、アクリル裁断を依頼するときにだいたいの傾斜角度を設計するしかないと思っていた。
そんなある日、メルカリにどうみてもPUNK WORK SHOPみたいな形のアケコンが販売されていた。しかもちゃんとPUNK WORK SHOP正規品のように天板がマグネットで外せる機構になっている。 「な、何…っ!この人一体どうやってこの設計と仕組みに辿り着いたんだ」 そう思ったボクは他の写真を舐め回すように確認。「なんという再現度。完璧にかなり近い。素晴らしいな…」と感嘆のため息と共に眺めた。
PUNK WORK SHOPのボタンはネジ止めのものと薄型のひっかけタイプの2種類がある。ネジ止めタイプはその構造上ボタンに厚みがでてしまうため、薄型のアケコンを作る場合は薄型ボタンのひっかかりに適応した厚さの天板設計が必要不可欠というのも一つのハードルだった。ボタン自体の図面はAliexpressに掲載されているけれど、天板留めに必要な厚みだけは数値表記がない。 また正規品の天板カスタムモデルは、2枚のアクリル板が合わさっていて間に紙がはさめる。これも厄介なことに2枚の天板上下で微妙に穴の経が異なるらしくΦ25mmとΦ24mmで穴があいていると動画で紹介されていた。どちらにせよ紙を挟んで2枚のアクリル天板の厚みがボタンの引っ掛かりピッタリと設計できないとボタンの固定ができないため、ボタンを先に買ってノギスで採寸の必要がある。
結局この辺りの設計が結構な手間となるので、もう正規品買ったほうが良いよねと結論づけてしまっていた。しかしそれをものともせず模倣品を設計・販売しているなんて、何度試行錯誤したのだろう……なんて強者だ、と深く感心した。 これは他の出品物に何か製作に辿り着くヒントがあるのではと思い、過去の販売一覧を見るとPUNK WORK SHOPの模倣品の中に正規品が1つだけ並んでいた。