さよなら、インターネットガンジス川
ずいぶんと昔に、SNSで知識や学びを有している人はどこへ言ったのだろうと思ったことがある。結局そういう人も一定数は見つけれたもののひっそりと去っていっていた。
インターネットガンジス川を長く見てきたけれど、ボクも立ち去ることにした。
退去するときの気持ちのように、念のためにとパスワードを24桁に変更。スマートフォンからもアプリを消した。
そうしてブラウザからログアウトするとき、ふと頭の良い人たちがどうして静かに早々と立ち去ったのか、その理由が少し分かったような気持ちになった。
ソーシャルネットワークで当たり前のように横行する「承認欲求」。多くの人が当たり前のように持ち合わせ、支配される。そんな欲求をもつことができないためボクは上手く迎合できない。まるでソーシャルネットワーク不適合のような感覚が消えなかった。
はじめたころは自分が繋がっている人、そしてまだ見ない繋がってみたい人との出会い。ボクはそういう流れがソーシャルネットワークだと考えていた。しかしいつしか承認欲求やフォロワー数、インプレッション数という数値が評価され、それを求めるような場所になった。
居心地の良さとしてのコミュニティを形成することに今のXは向いていない。かつては揶揄されていたソーシャル・ジャスティス・ウォーリアーに誰も彼もがなってしまった。まるでゾンビ映画のオチのようだ。抵抗するレジスタンスのような心境でアカウントに鍵をかける。
ボクはソーシャルネットワークでそういうプライベートアカウントというのが理解はするけど、自分はしたくないと思ってしまっている。なんというか場所を間借りしているのに、権利を主張しているように見えてしまう。
そうしてさらに他人の怒りの感情を掻き立てる投稿ばかりが増え、どうしてもそういう内容に目がとまってしまうからAIが「この投稿に興味がある」と判断させ、どんどんと似たような投稿がおすすめに増え続ける。地獄だ。
少し前に「マスコミが信用できないからネットで知識を得る」と言ってた人は、こうしてそれ以下の個人による悪意と金稼ぎに利用されることに気づかないまま流されていくのかもしれない。ボクはそれがもう許容できない濁流になったのを見て、「インターネットガンジス川はもう危険だ」と思うようになった。
「イーロン・マスクが就任してから、こんなに改悪されるなんて!」という声にはじめは「確かに、どうしてだろう」と思っていたけれど、最近ふと気づいた。
もしかしてイーロン・マスクは「僕たちが愛したtwitterはもういない!こんな化け物の姿になったSNSは使うに値しないから逃げろ!!」と言いたいのではないのか、と。あそこまで他事業ではそれなりに有能っぷりを発揮しているのに、ことXの運営だけは人が争いを起こすようなことばかりしている。まるで「もっとここは治安が悪くなるから早く逃げろ!」と言わんばかりに。
人の悪意と憎悪の洪水は遠くからたまに眺めるくらいでちょうどいい。
そんな他人の悪意とインプレッションによる金稼ぎで共感と同調を求められても困る。
どこまでいっても自分のことではないのだから。
引っ越し先:bluesky