日光リベンジツーリング

先週のツーリングがあまりにも消化不良だったこともあって、今週は日光・那須をリベンジすることにした。ただ二週連続で同じ場所に向かうのに高速使うのはなにかに負けた気がするので、いつもより早めに出かけ下道を走る。
東京から栃木に向かって伸びる新4号線が比較的空いていたこともあり、昼前には第一目的地の日光に入ることができた。そこでまずは前回雨宿りで勝手にお世話になった店(お食事処 日光水車屋)へ寄って何か買い義理を果たそうと思った。

今回の走行ルート

前回雨宿りしていた時は喫茶店かなと思っていたが蕎麦屋のようだった。
何か安い定食でもと思い入り口のメニューを眺めていると、ちょうど昼時でランチセット「水車挽きそばと大海老の天ぷらのセット」が1000円と書かれていた。ざるそばが650円だったので悩んだが、ここはせっかくなのでランチを頼んでみた。しかしこれがまた大正解の一品だった。
個人的に全く味を期待していなかったが大海老の天ぷらはとてもおいしく、そばも普段は安い小諸そばばっかりたべているせいか満足度が高かった。

食べ終わった後、お店に置かれていた観光雑誌をめくっていると霜降高原のページが目に入り、地図を眺めていると高原への道はなかなか楽しそうなワイディングだった。
当初はこのまま鬼怒川方面に走り日塩有料道路を抜けて那須湯本の鹿の湯へいくつもりだったが、少し遠回りして霜降高原を経由しても、鹿の湯には日暮れまでに到着できそうだったので向かうことにした。

日光手前から霜降高原へ向かう道に入る。
中々これは自転車で行くにはしんどそうというか、ボクはこれ自転車では無理かもしれないという斜度と曲がりくねった道を走っていると雲行きが怪しくなった。
またか。またなのか!と空をにらんでいると案の定結構な雨に見舞われた。
幸い休憩地点近くだったので一度立ち寄り、スマホにジップロックをかぶせた。
カッパはさすがに用意していなかったので(さすがに出かける時も日光に入る前も雨雲なんてどこにもなかったので用意していない)、わりと濡れネズミを覚悟したが土砂降りとは言わない程度の雨で助かった。

それでもいい感じに低速でも楽しめるワイディングを堪能していると、大笹牧場という場所にたどり着いたので休憩も兼ねて立ち寄ることにした。
駐車する際にあわや立ちごけという無様なこともしかけたので、ほんとフルロックには気を付けようと改めて思った。
さらに途中からジップロックで防水したとはいえ、なぜかケーブル経由の問題なのか「Ligtningケーブルからの水滴を検知しました」という嫌な表示をみることになった。
ほぼほぼ充電はできていたため引き抜いてしばらく乾燥させることにした。

牧場をでてからは前に走行車はなく、ひたすら自分のペースでワイディングを楽しむ最高の時間だった。ただ途中で河地ダムが見えた時が精神的に一番つらかった…。

そのあとは再度、日塩有料道路(土日無料)でワイディングを楽しむ。奥塩原温泉で硫黄泉のなんともいえない臭いにひどく心奪われ、もうここで温泉に入るのもいいかなーとバイクを停めて少し悩んだが、せっかくなので鹿の湯を目指すことにした。
那須塩原は自転車できたことも場所のため、通る道を懐かしいなと感じながら走った。そのあと「道の駅 湯の香しおばら アグリパル塩原」が左手に見えたので休憩がてら立ち寄り道の駅スタンプを忘れずに押す。
ここのソフトクリームはとても美味しかった…。(300円)

そのあとはこれまた自転車で通った道を懐かしみながら那須湯本まで登る。
自転車のときは傾斜に苦しんだのにバイクだと本当に楽だな……としんみりと思った。
自転車で訪れたときはまだ埼玉県の大宮あたりに住んでいたので、部屋からは片道150㎞で往復300㎞の旅だった。最近はそんなロングライドができなくなってしまったことを寂しく思うが、若いころに挑んでいて良かったとも思う。だんだんと年を重ねるごとに無理ができなくなる。

最近ブログをよく書くため、少しでも自分の文章力を上げようと沢木耕太郎の深夜特急を読み始めた。この本を読むと旅にでたくなるというレビューに心ひかれ、そういう文章を書きたいと思い読みながら学んでいる。
深夜特急を読んで思ったのは、若い体なら風邪やウィルスなどの不調はそれこそ寝ていれば治るような活力と自然治癒があったように感じる。やはりそのあたりが歳を重ねると一番衰える部分のためいまから同じようなバックパック一つで世界旅行に出かけるのは難しいと感じた。
よくTwitterとかでも「老後の楽しみにするのはやめろ。今すぐやれ」という言葉を見るが、本当にその通りだと思う。感性や経験とかでもなんでもなく、若いころでしかできないことがいっぱいある。一番は体に無茶が効くことだろう。
「時間があったらしたいこと」もよく聞くが、最近ボクが感じるのは、同じ1時間を過ごすことですら若いころはもう少しゆっくりだったように思える。それくらい年を取ると時間が流れることが早く感じる。
きっと死ぬ間際に「もっと~したかった」と思う気持ちはここから産まれてくるのだろう、と少し感じれるようになった。寂しくもあるが、それにこの時点で気づけたことは幸運なのかもしれない。


道の駅をでてから30分ほどで今日の目的地「鹿の湯」についた。
自転車で訪れたときはどっぷりと日が暮れていて気づかなかったが、湯本頂上付近には湯本神社があり、殺生石という観光名所があった。
それならば温泉はあとでもいいだろうと、日があるうちに先にお参りをすませ観光をすることにした。

温泉神社は一体どんな神様が祭られているのかと思い祭神を拝読するとなんと大国主様だった。なんともご縁が深い…。無事目的地にたどり着けたことの感謝を捧げ、殺生石を見に行く。
一体殺生石とはどんな石なのかと案内板を見ると、

鳥羽上皇が寵愛したという伝説の女性・玉藻前が、正体が妖狐の化身であることを見破られ、逃げた先の那須の地で討伐されて石となったという逸話がある。しかし石は毒を発して人々や生き物の命を奪い続けたため「殺生石」と呼ばれるようになり、至徳2年(1385年)には玄翁和尚によって打ち砕かれ[3]、そのかけらが全国に飛散したという。

殺生石が飛散した先は日本各地の「高田」という地名の3ヶ所(諸説あり)とされ、一般には美作国高田(現・岡山県真庭市勝山)、越後国高田(現・新潟県上越市高田地区)、安芸国高田(現・広島県安芸高田市)、豊後国高田(現・大分県豊後高田市)、会津高田(現・福島県会津美里町)のいずれかとされる。
「高田」以外の地に破片が散ったとする伝承もあり、飛騨では牛蒡種に、四国では犬神に、上野国ではオサキになったという。

殺生石 wikipedia

飛び散った先はWikiでは諸説ありとなっているが看板では岡山県の勝山と、会津高田とかいてあった。まさかこんなところで地元の名前を見るなんて思わなかったとなんとも感慨深い気持ちになった。

また殺生石のそばに教伝地獄という名の石仏像があった。
像の付近には小さなお地蔵様が連なっていたので興味を覚えて立て看板を読むと、親不孝にまつわる話でなんとも身につまされるものだった。身に覚えがありすぎたので石を積み上げた。

そのあとお目当ての鹿の湯へいざ!と思ったら、17時30分最終受付の文字が。
時計を見ると17時36分だったが、「なんとかいけないか!」と受付にいくと腕で×をされたので撤退。
Googleで検索すると近くに小鹿の湯という鹿の湯からお湯を引いているホテルがあり、そちらは21時までとのことだったので向かった。

小鹿の湯は入浴料500円と安く、貸しタオルが200円だった。
貴重品ロッカーは非返却式の100円が必要なロッカーだったので、まーいいかーとそのままかごに貴重品を入れて浴室に入る。
中は硫黄のがにおい立ち込める木製の湯舟が2つと露天が1つだった。
まずは体を洗い中温の湯に浸かる。

硫黄泉は温泉といえばこの臭いと連想するため、何とも久しぶりに「温泉に浸かっている」と実感できる時間だった。しかも立ち込めるくらい濃密な成分のためか体の温まりが早く長湯ができづらかった。中温、露天、高温、中温と一通り湯舟を堪能しあがる。
体には硫黄のにおいがしみこんでいた。
硫黄臭い体は不快ではなく、むしろここで湯治すると良いだろうなーと感じた。

帰り道の新四号はかなり飛ばしている車が多かったこともあり、休憩をあまりとらず快適に東京都付近まで走ることができた。
問題らしい問題としては、温泉の成分がつよすぎて顔を無意識にばしゃばしゃしたせいか、温泉成分が目に入りコンタクトが正常ではなかったことくらいだ。(何度もはずれそうになっていた)

疲れた体は休みを求めていたが鞭を打って日比谷駐車場に向かい洗車をする。
日比谷駐車場についたのは22時くらいだった。
復路の170kmをほとんど無休憩で走ったため、ちょうどいいやとバイクのエンジン熱を冷ます間に食事をしようと日比谷付近(有楽町駅)で食事処を探したが、歩いて探しているうちに30分が経過してしまい慌てて戻り洗車することとなった。エンジンは70℃くらいには冷えていたのでちょうどよかったが……。
しかし駅前に向かえば何か庶民的な食事処あると思ったがそんなことはなかった……むしろ駅とは反対側に行った方がよかったかもしれない。もっとも休日のビジネス街にある飲食店がこんな深夜にやっているのかは疑問だ。

綺麗になったバイクで帰宅する。
今回も無事に帰宅できたことを感謝しつつ、本当は行きがけに久喜によって鷲宮神社でお守りを買いたかったことを思い出す。
それはまた次回にしよう。

そんな1日だった。
ちなみに翌日は体が硫黄臭くて目がさめた。どれだけ高濃度なんだ。

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