3/4 千葉県房総半島「しげキャン(林間サイト)」でソロキャンプした話

2022年は結局1度もキャンプをしなかった。
3連休が何度かあったが、どこかで必ず雨が降っていたりというのが主な理由だった。どうしても土日でキャンプに行くと慌ただしいなーと思っていたので避けたのもある。
くわえて2年以上前の天神浜オートキャンプの帰り道で考え始めた「ボクはキャンプがしたいのか遠くへバイクで泊まりにいくのが好きなのか」は、去年の東北旅行でも結論はでなかった。

そんなこんなで2023年はどうしようかなーと考えていたら、厳寒期は終わり3月の初週はキャンプが過ごしやすい気温だった。こんなキャンプに最適な気候で行かないなら、もはやボクはキャンプをしないのでは?と考えたことと、Tumblrで流れてきたTwitterの誰かのつぶやき「何かをしたいという欲求に対して、合理性を考えだしたら行動はできなくなる」は的を得てるようにおもえた。
得てしてやりたいと思ったときに考える「でもなー」というのは別に合理性を考えているのではなく、やらないで良いという理由探しに他ならない。
人生をつまらなくしてるのはいつだって自分自身だ。

キャンプと向き合うために近くのキャンプ場を探す

せっかくなのでどこかに遠出ではなく、近くのキャンプ場で昼に到着するようなのんびりキャンプをしようと思った。しかし千葉県のキャンプ場はわりと集合住宅のように区画サイトが多いので、やはり林間キャンプは山梨や長野かなーと探していたら……個人ではじめられたしげキャンというキャンプ場が価格も安く(2,500円)、薪も1ケース1,000円と最高だった。

しげキャン サイト(手前がフリーサイト、道の右側を降りていくと林間サイト)
林間サイト横には小川が流れる

一応候補に入れつつ、それでも行くかどうか悩んだ。週末の天気は雨予報がややでていたので、ギリギリまできめあぐねたが金曜日に「最悪雨でキャンセルでもいいや……」と林間サイトに申し込んだ。雨がふらないまでも天気が悪かろうが、南房総に景色を求めていくには通いすぎていた。

そんなこんなで土曜日は起きてから用意したり図書館にいったりをしていたら、案の定出発がとても遅くなった。アホである。
予定では15時につくつもりだったので15時に予約したが、間に合うわけもなく到着時間を変更して頂いた。申し訳無さしかない。

しげキャン所在地

地図をみたときに養老渓谷付近であることはわかっていたので、2時間未満でつくだろーと高をくくっていたが、きっちり2時間すぎるくらい時間がかかった。いつも制限時間を決めて移動しないので、その時間までつかないとと思うと中々ヒリツク。
おまけに高速道路がやや渋滞してたのと、コーヒー豆を市原で購入したりで、結局17時手前に到着した。

久しぶりのテント設営と悲しい夕飯

受付後、さっそくテントを設営する。
すでに林間サイトではソロキャンパーが4人ほど設営されていて焚き火を楽しまれていた。テントの間は10mほどあいて設営されていたので、絶妙に空いていた位置に設営。
他キャンパーのテントを見ると、テントに跳ね上げ式タープがついているものが主流のようだ。
よく見るフランス陸軍F1テントや、DODのライダーズバイクテント、あと2つは見たことがないメーカーだった。F1テントなど天幕内にグランドシートがないタイプは雨などが降った時の撤収が楽そうではあるけど、コットが必要になる。
あのいかにもソロキャンプという雰囲気は好きなのだけど、冬は地面からの冷え込みはどうするんだろうという気持ち。(究極的にはストーブを入れるのがいいんだろうけど)

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テントは定期的に探すのものの、重量で比較したときムーンライト2型+タープHX+ポール類の合計(2.46kg + 870g + 600g)と同じ、またはそれ以上が多くて「じゃいいや……」となる。
他のメリットとしてはテントとタープが別料金というキャンプ場には良いかもしれない。
それでも圧倒的にムーンライト2型は設営が早いというメリットが強すぎる……デメリットは風情にかける。


さくっと設営後は薪を用意する。
1,000円を回収缶にいれ、プラスチックのかご(青果収集かごみたいなサイズ W50xD40xH30)に、乾燥してある丸太を自分で加工すれば、ボックスに詰め込めれるだけ詰めて良いらしい。鉄製の薪割り機もあったので最初は使ってみたがこれは全く割れる気がしない。結局ボクも他の人が使っていた電動油圧薪割り機を使った。文明の勝利。

薪を用意した後は食材を買いに出かける。
しかしキャンプ場付近にスーパーもなく、山林を越えた8km先の大多喜市街地まで行く必要があった。バイクだから苦ではないが、徒歩や自転車だと詰みそう。
キャンプ場から大多喜までは電灯の少ない暗闇の道。その途中で道路脇に鹿がいてガン見してしまった。ゆっくり走っていたので良かった。帰りも安全運転で戻ることを心に誓う。

大多喜町は駅付近でも小さな町のためか、19時手前でもすでに寝静まったかのように暗く、町にはセブンイレブン以外の明かりといえば、通りに点在している街灯だけだった。
広めの駐車場に停車し入店すると、入口付近には地元野菜がいくつか陳列されている。まだ時間もそこまで遅くはないため料理しようと思えばできなくはない。しかし調理器具の用意はしてきていたが、19時すぎと遅くなりすぎたこともあり、この日は潔くキャンプ飯は諦め、コンビニでご飯を済ませることにした。幸い外にベンチもあったので、そちらに座り済ませる。

アルコールはハイボール濃いめとクラフトビールを購入し、地酒があったので350mlを一本購入。すっかりと暗くなった道を鹿に気をつけて戻る。
戻りながら近場のキャンプは無理に特別にしようとせず、脱力できて楽しめるのは良いかもなーと感じた。旅に出ると「何か美味しいものを食べなければ」「何か特別なことをしなければ」と考えてしまいがちだ。もちろんそう思うこと自体が間違いではないのだけれど、ボクはそう思って行動しつつも実現できず疲弊してしまうことが常だ。

人間はできることしかできない。
いつも無理にやろうとしてるせいか、その事実に気づかせてもらえた気がする。
キャンプはそういう日常で見落としがちなことを思い出させてくれる。


キャンプ場に戻ったらすっかりと日が沈んでいて、点在しているテントから談笑している様子が見れた。
この日はオーナー不在ということで、バー運営がなかったが、オーナーがいるときは深夜まで管理棟兼ねるバーが開いてるそうだ。そこが少し残念だった。
また来ても良いかもしれない。

テントに戻った後は手早く火を起こす。100円均一で買える着火剤2種(おが屑ブロック+ジェル状燃焼剤)の組み合わせで、失敗することはない。いつかは雰囲気重視でファイアースターターとナイフで火起こしもしてみたいとは思う。

あと買い物から戻ったり、トイレから戻る時に思ったが、林間サイトは明かりがないため、タープやテントのロープが見えなくて危なく思えた。これは次回までにロープにつける蓄光製品を考えたい。毎回snowpeakのランタンを持っていくので反射さえしてくれば引っ掛けることはないと思う。

火を起こした後はいつもどおり酒を飲みながらぼーっとすることにした。
林間サイトは川のせせらぎが聞こえ、なんとも心穏やかな気持ちになる。
毎日の日課にしているイラストの練習をしようとiPadを持ってきたが、またしても使わなかった。もうiPadを持ってくるのを辞めよう。重いだけだ。

たっぷりと用意した薪を全て焚べながらお酒を飲んでいたら23時になった。
他のキャンパーも30分前には皆さんテントに入っていた。ボクも習ってテントに入り寝袋に潜り込んだ。
しかし日中が暖かったことと小川近くだったためか、夜中はテント内がかなり冷え込みホッカイロを持ってこなかったことを後悔した。おかげで寒さによって何度か目が覚めてしまった。ホッカイロを寝袋の足元にいれて暖を取れればもう少し快適だったのに……。


明けて翌日。
しげキャンは関東近郊のキャンプ場では珍しく12時までにチェックアウトすれば良いみたいだったので、テントの中でゆっくりしようと思って何度か二度寝を試みたが8時にはすっかり目が覚めてしまった。

テントから出ると周りの方は朝から薪を燃やしていた。
ボクは前日に全て燃やしていたので、ガスでお湯を沸かせコーヒーを淹れる。やはりクッカーでお湯を沸かすより、torangia 325 / 0.6Lケトルは軽量で湧きも早く、コーヒードリッパーにも注ぎやすいため便利だと感じる。そうなってくると昔、登山用に買ったジェットボイルが不要のように思えた。メルカリに出すことを検討。

コンビニで買ったメロンパンを食べながら、ミルで挽きドリッパーで淹れたコーヒーを飲む。出立前ホットサンドクッカーを持っていこうかと一瞬悩んだが、あえて今回は持ってこなかった。たぶん美味しいのはわかっていたが、毎回同じことをするのは芸がない用に思えたからだ。

パンを食べ終わった後、どうせなら川のせせらぎを眺めながらコーヒーを飲もうと思いつく。コーヒーを淹れなおしたあと、椅子を持って川の近くに移動すると階段があることに気づき、せっかくなので川の真横まで降りることにした。

川の流れとせせらぎの音を聞きながら、深く椅子に腰掛けてコーヒーを飲む。
毎日部屋で寢るときYoutubeで川のせせらぎ動画を再生するほどには、ボクはこの自然の環境音が好きだ。海の波の音も好きだが、川のせせらぎ音が落ち着く。

20分ほどぼけーっと過ごした後、片付けを開始。
雨も降らず、風もなかったため手早く撤収作業をすることができた。
あとは近場だしということで荷物も少なめにしたのが功をなした。やはりキャンプは「あれやれこや、あったほうがいいよなー」と荷物を詰め込むより、なければ諦めようという精神で行ったほうがいいかもしれない。

バイクに荷物を積載し10時前にキャンプ場を後にする。
ちょうど養老渓谷温泉のごりやくの湯が開いた時間だったので立ち寄り、いつもよりも長めにゆったりと浸かる。午前中に入浴したのは初めてだったが、暖かな日の光の中、帰りの時間を気にせず浸かることができた。
思いの外混雑していたので、他のキャンプ場から同じように立ち寄ったのだろう。

その後はゆっくりと下道で帰路につく。
これまでのキャンプとくらべて、少し気持ちが楽だったため、また千葉のキャンプ場へ行っても良いかもと思うようになった。
どちらかというと以前は、近場のキャンプ場へ行くのは移動の楽しみがないと思っていたけれど、大きな荷物を載せてキャンプへ行くときの感覚は、それはそれで新鮮味があり楽しさがあった。

今年はキャンプの回数を増やそう。

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