専用設計ならではの絶妙な焼き加減。
こだわりのホットサンド。
晴れたある日、メインバンクが三井住友銀行のボクは最寄りの支店まで歩いて向かった。
三井住友銀行Olive利用者は同支店ATMの利用手数料がいつでも無料だからだ。
前は月2回はコンビニ利用無料にしていたが、コンビニ支払いでポイントUPに設定しているので、やや面倒ではあるものの月に1度その月で使うと決めている生活費を降ろし工面するのでそこまで気にならない。
一つ隣駅にある支店からの帰り道、信号を待っていると緑色の蛍光管で店名がついたお店が目についた。もう何年も生活しているがいつの間にできたんだろうかというくらい自然に佇んでいた。
近づいて見てみる。また意識バク上げ系のコーヒースタンドかと思ったら、ホットサンドを売りにしたお店のようで、「専用設計のトースターだから実現したサクサクともっちり感」というコピーにとても惹かれた。
値段も手頃でたまごサンドは290円だった。
時間も時間だからだろうけど暇そうな店員さんに注文。
待つことしばし。頭の中ではパリーニのようなプレスされたホットサンドかと思っていたが、本当に専用設計の両面三角形の凹にはめ込んで焼いたような仕上がりだった。
左手にホットサンド、右手にアイスコーヒー。
両手を交互に使い食べる。そんな幸せ。
歩きながらさっそく食べてみる。
サクッ。
トースト加減は絶妙。三角形に切られた食パンの表面・側面に、均一にきつね色の焼目がついている。表面だけがカリっとした食感で、中は食パンの特有の柔らかさが残っている。
トーストされたパン特有の温かな甘みと、潰された卵とマヨネーズの具材。控えめながら確かに存在を主張する程度のマスタード。なんとも優しい味がする。この味は手仕事ならではだろう。
保存用のチルドケースに入っていたため、具材の中心部までは熱が入り切っていない。とはいえどこれ以上温めると表面のトーストが焦げてしまう。
なんともこだわりづくしで価格もこなれていて気に入った。
別の日に訪れるとたまごサンドは売り切れていた。
看板メニューのたまコロ(たまごコロッケ)サンドが430円で残っていたので注文。
コロッケは質の良い油であげたのかじゃがいもの甘い味だけがする。そこに卵が調和していて、これまた優しい味だ。
事前に買っていたアイスコーヒーと交互に口に運ぶ。
なんとも幸せだ。
食べ進めていると、パンにゴマが混ざっていることに気づく。このゴマが小粒だが、いいアクセントになっている。なんとも心憎い。
ホットサンドを最後まで美味しく食べてほしいという作り手の気持ちが伺えた。
どこか懐かしく優しい味に感じるのは、昔大阪に住んでいたころ、何度も通っていた大阪日本橋の喫茶店のモーニングトーストを思い出すせいだろう。
店の場所もそこまで一等地というわけではないし、目立っているわけではないからいついっても暇そうだ。とても気に入ってしまったので最近は積極的に足を運んでいる。
そんな幸せなメルヘン。