東北旅2019 #01

本当は4/30に出発する予定だったが、この日は全国的に1日雨だった。
幸いタイヤのはめ込みで両手は筋肉痛だったので、ゆっくりと整備を仕上げ装備品を準備することができた。

あけて翌日の令和元年の初日。
朝早く部屋を出たボクは水戸駅に向かった。

今回の旅行は水戸出発、福島経由で宮城県に入り、そこから気仙沼を抜け岩手県の海沿いを通って青森の八戸でゴール。余裕があれば十和田湖を見て八戸に戻り新幹線で東京へ戻る。
というのがざっくりとしたルートだった。

ざっくりとというのが実際どこまで無理なく進めるのか、安いホテルの空き状況が不確定なため、毎回ホテルは実際に移動して、昼過ぎの段階で判断してから決めるようにしている。
(ホテル候補が少ない時は前日のホテル宿泊中に決める)

水戸駅で輪行を解除し、旅の始まり

個人的にできれば長距離を移動する時、輪行スタートはなるべくしたくない。理由はどんなに用意万全と思っても、人間何かしらミスはするし、それで何か忘れていた時のがっかり感が半端ないからだ。
だから今回も前日に何度も指差し点検し万全であることはわかっていたが、実際に輪行を解除してから走り出すまでは、やはりどこか不安だった。
なんとか無事にスタートできたことにほっと一安心した。

ちなみにサイクルウェアも悩んだ。
天気予報では東北地方でも20度を越えていたため、春秋用のASSOS Mille Spring/Fall ジャージ(10℃〜20℃)か、いつも冬に着ているMille JACKET evo7(-4℃~6℃用)のどちらにするか悩んだ。
Mille Jacket evo7では暑すぎるのでは…と思ったが、東北の寒さを侮ってはいけないと考え直しそちらを選択した。
(タイツに関しては、LL.Bonkaタイツ Mille.S7と決めていた。最悪下半身が熱くても我慢はできるため)

結局茨城県を走っている間、天気が曇り気味だったこともあり、やや暑いかなと感じる程度だった。フロントファスナーをほぼ全開で走れば問題のない暑さだったため正解だと感じていた。ここからどんどん北上していくので暑くなることはないと考えたためだ。

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東北へ移動中

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茨城県の常陸太田市で自転車で日本一周中という人がいた。
道の駅に立ち寄った際に、偶然その方が話かけられていたので聞き耳を立てると、埼玉から出て常陸太田市の道の駅までで9泊目と言っていた。……埼玉のどこか出発かはわからないけど、先に東京千葉を経由したんだろうか…。

福島県に侵入。そして豪雨。

道の駅からはすぐ福島県の県境となった。

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うつくしま、ふくしま

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この日の宿は翌日の宿泊場所を左右するため、福島市内にとるか、それとも宮城県の白石市にするかを迷っていた。福島市内から気仙沼は距離があるため石巻市か登米市が候補。しかしその後はだんだんと宿泊場所の選択肢が減りがつづけていく。体力に余裕がある初日に多少無理をしてでも白石市まで行くのが良いと考えていた。

昼休憩で福島県東白川郡塙町塙桜木町の「道の駅 はなわ 天領の郷」に立ち寄り、疲労回復目的のオレンジジュースとポークフランクを食べながら改めてホテルをどうするかと楽天トラベルとにらめっこをした。
水戸から福島市内は176km、白石市の方は218km。
距離的な問題もあるが、極力宿泊費を安くしたいボクは、福島市内の安いホテルがなくなっていたこもあり宮城県角田市(白石市で検索したら出てきた)の「グリーンホテル 角田」に泊まることに決めた。
ただ残り距離を計測すると120kmほどあり、予定到着時刻が深夜0時を超えていたためホテルへ連絡。自転車で向かうことを伝えると自転車はフロントで預かりますという嬉しいお言葉をいただく。疲れた体で輪行状態にするのは骨が折れる上に睡眠時間がそれだけ削られてしまうので本当に助かった。

しかし問題はこのあとに起きた。
道の駅を出てしばらくすると雨が降り始めたのだ。幸い本格的に降る前にライト上に乗せていたモバイルバッテリーを外し、Edge1000からはUSBケーブルを抜くことができた。再び走り始めた時、雨は本格的に振り始めた。
土砂降りとまではいかないが、降り注ぐ雨に2時間ほど晒されることになった。

Edge1000が水没

17時頃、郡山市を抜け本宮市に入るころ雨は止んだ。
ずぶ濡れのままでは、たとえコンビニといえど店内に入りづらいこともあり、道の駅から休憩も取らず走り続けたので空腹だった。
しばらく走っていると服が乾き、駐車場が広めなローソンをみつけたので立ち寄った。値引きされた弁当を食べ一息つく。そうだ、雨もあがったことだしEdge1000にバッテリーを再接続しようと思い本体裏のカバーをあけ、何も確認せずUSBケーブルを差し込んだ。
だが出発してすぐ、信号待ちをしていると画面がおかしな表示で止まっていた。

固まったのかな?と強制再起動するも同じような画面で止まる。
仕方なくハードウェアリセットをかけたが画面中央を押すと画面が変な表示になる。
「まさか!?」と本体を裏返すとシリコンケース内に水が溜まっていて、そこからUSB端子を伝い内部に浸水したようだ。完全な水没反応だった。
乾燥剤で水を抜けば回復するかも!と考えたボクは、あわてて周囲を見回すと運良くドラッグストアがあったので駆け込んだ。箪笥の水取りぞうさんとジップロックで奇跡的な回復を祈りながらサドルバッグに入れて、ここからはサイコン無しでの走行となった。

そこからはまた雨が振り始めた。
もう夜の時間となり視界も悪い中、Edge1000による走行状態も確認できない状況は、この旅で一番心細い時間だった。
ナビ自体はiPhoneで行っているので迷うことはないが、Edge1000ではDi2のギア位置表示やマップ表示や高度表示もおこなっていたし、何より視線をおとした場所にいつもあるものがないという心もとなさが辛く感じた。

また福島市内に入る時の阿武隈川を超える国道4号の下り坂道では、今回の旅でもっとも恐怖を感じた。道幅の広い2車線のため車は高速で走っているし、雨は強く降っていた。さらに自分が今何kmで下っているのかもわからないのは本当に恐怖でしかなかった。
下りはとくにEdge1000でルート表示させることで、道の先の状態を把握することに頼り切っていたことも裏目にでてしまった。

18時の段階でも残りバッテリー容量は80%あったのだから無理に充電する必要性なんてどこにもなかったのに、なんて馬鹿なことをしたのだろうと心が後悔一色だった。
このままホテルに到着しても、明日Edge1000が復活しなかったらどうしよう、仙台に向かい新幹線で帰ろうか。そんなことばかり考えながら暗い雨の夜道をひたすら走り続けた。
精神的な不安と長距離による移動で疲労はピークだった。
暗い阿武隈川沿いの細道をひたすら漕ぎ続けていると、降ったりやんだりしていた雨足が弱まりいつのまにか宮城県に入っていた。(県切り替わりの看板が見えなかった)
頭上に見えた看板をみると角田市まで残り10kmとなったため最後の力を振り絞り、一目散にホテルを目指した。

ホテルが見えた時の安堵感はとても大きかった。
安心するとお腹が減るもので、ホテルからコンビニは距離があるように見えたため、先に食事を済ませることにした。
ホテルとコンビニの間にすき家があったため立ち寄る。時計を見ると23時手前だった。すき家はずいぶんと久しぶりだったが、この日食べた牛丼は格別な味わいだった。
その後コンビニでお酒を買いホテルへ向かう。

ホテルに到着後、コインランドリーで衣類を洗濯しお風呂に浸かった。
疲労回復には湯船に浸かるのが良いので、コンビニでバブのメディキュアを購入していた。足は念入りにマッサージし疲れを取る。

入浴後Edge1000を一度起動してみたが初期化プロセスとなっていて、やはり画面真ん中を押すとフリーズしたため電源を落とした。水取りぞうさんの中身である乾燥剤をジップロックの中にひろげEdge1000を埋めるようにしてから再び蓋をしなおした。
そして、どうか明日の朝直っていますようにと願いながら布団に入った。

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