東北旅2019 #04

この日の朝食はホテルで取った。(朝食付きのプランしかなかった)
6時に食堂に向かったが大混雑で行列ができていた。
あまり食べすぎても……と思いバイキング形式だったがほどほどにして席を立つ。

ちなみに宮古市のルートインホテルでは自転車を入り口のクロークで預かってくれるようだった。あいにくとこの日は他の自転車旅行客グループがGIOSなどのミニベロを3台預けていたため、出す際に倒されても嫌だと考え手荷物にして部屋に持って入っていた。
ホテル入口でこれを手早く戻し、この日は7時にホテルを出発した。

出発から1時間経過した8時頃、みどりの窓口が営業をはじめたのを見計らい電話をする。「新幹線に自転車を置きたいので、立ち乗りで邪魔にならならいような比較的広い車両間通路がある車両はありますか?」と訪ねると「五号車と六号車の間に車いすが利用できるようなスペースがあるため、そこでなら余裕があります」という情報を得た。それなら始発(6時台)の新幹線であれば多少空いているに違いないと考え、そのまま八戸駅目の前にある東横インを予約。当初の目的通り八戸を目指すことに決めた。
これであとは八戸へ向かうだけとなった。


この日も風は穏やかで快晴だった。
前日同様に山岳ルートをぬけていると田老町の「道の駅たろう」に到達した。
さすがに4日目は地方にお金を積極的に落としたいと考えたため立ち寄った。

山間の村で川が見えなかったが、鮎や山女の炭焼きを販売していたため購入。
それでも1匹350円と格安だ。朝ごはんを食べていなければ2匹は食べれた。
興味深いお土産物もあったが、さすがにまだこの時点で積載する荷物を増やしたくないと考え、道の駅を後にした。

走り始めるとすぐに次の「道の駅たのはた」までは37kmという案内看板があった。40㎞間隔なら休憩するにしても最適な間隔なので、次の目的地をそこにしようとした。
しかし今回の旅の副目的は「ウニを満足するまで食べる」である。つまり最終日であるこの日こそ目的であるウニを食べるため、昨晩寝る前に店を調べ、候補をリストアップしていた。本命の「二子朝市 浜のかあちゃん食堂」は久慈市にあり14時閉店と絶望的な距離だった。二番目に目をつけていた「北川食堂」は道の駅たのはまの間にあったため、まずはそちらを目指した。

道の駅たろうから山をいくつも越え、時間的にもちょうど良い昼頃に北川食堂にたどり着いた。しかし北川食堂はこの付近でも人気店と紹介されていたこともありすでに行列ができていた。並ぶと時間はかかるが背に腹は代えられないと考え、列に並ぼうとしたが、列先頭の入り口看板には「本日生うに未入荷のためウニ丼はありません」の文字が。
ウニが食べれないなら用はない!とボクは颯爽と店を後にした。

そこからさらにまた山を越え、山の合間にある「道の駅たのはま」に2時頃たどり着く。
たのはまではアイスクリームを購入し、登り道で熱くなった体を冷やし休憩する。
次の「道の駅のだ」はここから56km先だった。何故か等間隔ではなく一気に遠くなった。

「道の駅たのはま」を出てしばらく走ると、この日一番の標高がある閉伊坂峠となった。

今回の旅行中にあった山や峠は、どれも傾斜がキツイわけでもなんでもないのだが、やはり累積して獲得標高が高くなるだけにドンドン脚にくる。
それでも今回の旅行用に買ったFizik X5 Terraは歩いてよし、ペダルを回して良し、M6Bと比較して軽い!とあってとても買ってよかったと思えた。(あとSPDシューズは最悪押して坂を登れるというのが心強い)
とはいえど自転車も体も軽い方が坂道は楽なので、本気でダイエットしようと心に誓った。そう誓ったのが何回目かは忘れた。

閉伊坂峠はかなり下りが長く快適に時短することができた。
そしてしばらくすると一応はチェックしていた「レストラン うしお」が進行方向に見えてきた。生ウニ丼ありますのノボリもはためいていた。
正直こちらのお店はウニ丼よりも潮らーめんが有名となっていたのでかなり入店を悩んだが、折角だし!と入ることにした。

2700円の生うに丼、どんな量なのだろう!とわくわくしたが、想像を超えるちょびっとの量だった…ボクの脳内では特産品の場所ではバカみたいな量を安く食べれるというイメージがあったが、そんなことはなくちょびっとだった。
これは後で知ったことだが、そもそもウニの旬は6月~7月で、この時期のウニは初物として価格が高いそうだ。(味もやや落ちる)
疲れていたこともあるが、思ったほどにウニの濃厚さを感じることができず、内心「あれ、こんな物なのか…?」と少し寂しい気持ちだった。
これならば都内で4000円払ってウニの舟を買う方がお得かもなーというのが、この時点で正直な感想だった。

昼食後は「道の駅のだ」をまずは目指す。
旅の終わりが見え始めたこともあり、そろそろ土産物をという気持ちがこのあたりから湧いてきた。しかし手持ちの現金が昨日のルートインホテルを現金払いしたため心もとなかった。道の駅でATMの場所を訪ねると500m先にコンビニがということだった。
「道の駅のだ」では三陸鉄道リアス線が全線復旧開通記念のワインが売られていたが、送料込みで考えると手持ちが足らず、クレジットカードは不可だった。
PayPayなら可能といわれたが、そうであるなら縁がないと諦め、ボクは駅を後にした。

まずはコンビニで現金を下ろし、次の「道の駅くじ」を目指す。
しかし陸中野田と久慈市はそこまで離れておらず、久慈市内には1時間足らずで到着した。道の駅手前の道沿いに小さな海鮮物産店があったので興味本位で立ち寄る。
するとウニを調べていた時に定期的に目にしていた久慈市名物「生うにの牛乳瓶詰め」が販売されていた。一本2680円。(160g)

昼に食べたウニ丼はこの半分くらいは盛られていたことを考えると、そこまで高くはなかったのかと別のところで納得してしまった。
またその昼のウニ丼が心から納得できていたとは言い難かったこともあり、ボクは自分用のお土産にとウニの牛乳瓶詰め1本とホタテ2枚を購入し自宅へ宅配を依頼した。(送料込み5400円)ちなみにAmazonで調べると生ウニの牛乳瓶詰めは1本5000円で販売されていたので半値近くで購入できたためお得感はすごかった。

その後、道の駅に立ち寄り軽そうなお菓子「ぶすのこぶ」を購入。
お土産を購入したことであとは八戸へ向かうだけとなった。


いつものことだが、旅の終わりの寂しさは何とも言い難い。
終わってしまう寂しさと、終わることの安堵が入り混じった気持ちになる。
それでも久慈市から先もいくつもの山を越えることになった。
しかもサイクルコンピューターでは青森に入ってそうなのに、中々青森県の看板をみなかったため、見落としてしまったかと思った。

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やっと……さすがに遠かった……

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あたりが薄暗くなり気温が下がり始めたころ、青森県に入ることができた。
それでもここからも小高い丘のような登りが続き、もしかして八戸は山間の町なのか?と思ってしまった。(地図で見たときは海の近い平地と認識していたため)

結局その後八戸市内にたどり着いたころには真っ暗だった。
しかもここでiPhoneのサイクルナビは市街地を逆走するルートを案内してきて無駄に走らされた。(Garmin 1030はそこは正しいルートを示してくれたので、1030があれば真剣にiPhoneのサイクルナビは不要な気がした)

八戸市は八戸駅と本八戸駅があり、本八戸駅の方が繁華街のようだった。
最後の力を振り絞りホテルへ向かう。
夜中になると土地勘がない場所ではどのあたりを走ってるのかもわかりづらいため、気力が減っていきやすい。
それでもここでもGarmin 1030の大きな画面で地図を表示していたため、目的地が近づいていたことが感じれたのは本当に良かった。
1000が壊れたときにサイコン無しでも行けなくはないと考えたが、やはり夜道にサイコンが視界内で明りを灯し、地図を表示してくれるのは心強いのだ。

20時30分にホテルに到着し、手早くチェックインを済ます。
東横インは絶対預かってくれないのを知っているので、自転車をそそくさと手荷物状態にする。一度部屋に入った後はいつも通り洗濯を行い、その間に入浴を済ませる。もはやルーチンワークのような行為だ。
入浴後は最終日だしと付近で食事をすることを悩んだが、結局コンビニ弁当を買って戻ってきた。重ねて最低である。

ビールを飲みながら4日間の旅を思い返す。
4日間の距離合計は約700km。
ほとんど山道を走っていたな…ということが思い浮かんだが、実行できたことと大きなトラブル(サイコンが水没したこと以外)もなく、何よりパンクなどもなかったので、無事終わることができてよかったというのが正直な感想だった。

翌日は予定通り始発の新幹線に乗るべく朝6時に駅に向かった。
新幹線は6時40分だったが、余裕をもって行動した。
すると運よく最後尾の2列席の片側が空いていたので、元の予約をキャンセルしてもらい席を取り直した。

ここで安堵したのかスマホを券売機前に置き忘れてしまう。
それに気づいたのが改札に入ってお土産を新たに購入し、「お疲れ様でした!」と写真を撮ろうとしたらスマホがないという。
最後の最後で!と探し回り、ホテルまで戻るも見つからない。
迫る発射時刻。
オワッタ…と諦めかけていると、みどりの窓口受付の人は「知らない」といっていたが中の人が預かってますよと言ってくれて無事発見。
本当にこれは見つかって良かった…。

急いで改札を抜けホームへ。
奇跡的に窓際座席の人は荷物が少ないのか、後部座席後ろは空いていたので自転車を置かせてもらう。その後、隣の人は盛岡で下車し、ボクは一人座席のまま東京へ帰ることができた。終わってみれば杞憂だったのだが、自転車で最後を輪行する場合はどうしてもこの問題が大変だなと改めて感じた…。


そんな4泊5日の旅だった。
余談だがGarmin1030は、結局ヤフオクで売りに出した。
というのも届いていた1000を電源確認したところ、普通に起動した上に何の問題もなく動作したからだ。さすがにそうなると使えるサイコンが2台となってしまい、1000は傷だらけのため売れる見込みはないとなると勿体ない。
売れなければ諦めて使おうと思って81000円で売りに出したところすんなり売れたので、良かったと思う。1000が4年前と思えば交換時期と考えれなくもないが、あれば使いたいが無理して買い換えるほどではない。というのが正直なところだ。お金があればほしい。

さらに余談だが、サイコンとライトのマウントはM5タップ切でステム穴をねじ穴にしてM5ネジで固定した。3°ほど傾いていることだけ気になるがばっちり固定されているので、これはこれで良しとしたい。

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