「空の青さを知る人よ」の視聴感想

先週末、関東地方は梅雨入りしているためか1日中雨が降ったり止んだりで外出(遠出)はできそうになかった。普段であれば土日は「せっかくの休日、出掛けないともったいない」と感じてしまうが、雨であれば仕方ないと思えるためボクは雨の休日は嫌いではない。

昨年公開された「空の青さを知る人よ」は、公開開始から見よう見ようと思っていたら、どんどんと劇場公開スケジュール時間が合わなくなり、結局公開終了まで映画館に行くことができなかった。Twitterの方で販売・レンタル開始されたことを知り、さきほど近場のレンタルショップを探し回って借りてきた。話題作の「天気の子」も見ようとは思うが、先に「空の青さを知る人よ」を見たいと思っていたのだ。

「空青(こういう略称が正解かは知らない)」」は、埼玉県秩父市が舞台になる「あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。(あの花)」「心が叫びたがっているんだ(ここ叫)」に続く秩父三部作の三作目。元々これは三部作と謳われていたので、これが最後になるのだろうか。

話はどちらかというと、「あの花」のような幽霊的な存在のキャラクターが物語をかき混ぜる構成だが、「空青」はあくまでも現実世界の人に軸足がある展開で話が進んでいく。

個人的に旧二部作はどれも好きだが、今作は過去二部作の良いところをうまく抽出したような展開でとても良いと思う。
何よりクライマックス(cmでしんのとあおいが空に飛んでいくシーンの先)では、眼下に広がる紅葉に染まった秩父の山々を描いた美術が素晴らしいの一言。この三部作が秩父の観光案内目的で制作されているかどうかはわからないが、少なくともこのシリーズが好きな人は、秩父に一度は足を運びたいと感じたのではないだろうか。そんな「空青」は過去作と比較しても、i一番美しく秩父の景観を表現していて観光や聖地巡礼で訪れたいと思わされた。(実際によく行く人間の感想)

あらすじ

山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして、ある男の名前が発表された。金室慎之介。あかねのかつての恋人であり、あおいに音楽の楽しさを教えてくれた憧れの人。高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が、ついに帰ってくる…。それを知ったあおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。高校生時代の姿のままで、過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。思わぬ再会から、しんのへの憧れが恋へと変わっていくあおい。一方で、13年ぶりに再会を果たす、あかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。

「空青」は過去作の良いとこどりをしたような詰め合わせのように思える。
例えば「あの花」と「空青」の比較として、しんのはあかねの練習場(かつての慎之助が練習していた納屋)に現れ、彼はそこから出ることはできない(結界のようになっている)が、練習場にいけば誰でも視認できるようで、主人公のじんたにしか触れることも視認することもできなかった「あの花」のめんまの設定とは大きくことなっている。(しんのは実体が存在している設定で食事も物を掴むこともできる)

また物語の大筋の流れは前作「ここ叫」と似ている。「ここ叫」では主人公の成瀬順が自分の才能を開花させてくれたと坂上拓実に恋をする物語だ。しかし相手の坂上拓実は成瀬を選ばず(むしろ遠ざけ気味)、中学校時代から思いを寄せていた学園のマドンナ存在の仁藤菜月と誤解をときハッピーエンドとなる。終わり方は嫌いではないのだけど、主人公の成瀬は結局振られてしまうわけで、なんとも「一体主人公は誰だったのか」という感じがあった。
今作「空青」は、はじめから「慎之助と姉のあかねは恋人」が前提としてはじまるため(その当時のあおいは幼い子供だった)、物語の軸足はどちらかというとその二人にある。上京によって別れたかつての恋人二人が10年越しで再開する変化をあおい視点で見る形となる。
夢を追い求めて音楽で生きていこうとした男と、そんな男を心のどこかで諦めきれず地方で待ち続ける女の物語。それを妹視点で見る話だ。
もちろんそこに複雑な様相が加わっていくのだけど、そこは安定の岡田麻里という感じがする。ただそこまでドロドロとしていないし、登場人物全てに嫌な部分がない。上手く理想的な人間関係と現実的な泥沼のようなもつれ具合を配合していて、案配はとても良いと思う。個人的には今作が一番好きだ。

映画本編は物語の一区切りがついた場面で終わり、「その後の登場人物」をスタッフロール中の写真で見せる形式だった。流れるあいみょんの主題歌とも相まって、なんとも見終わったあとに「良い映画だったな」と感じさせてくれた。
何かを訴えかけるような作品ではないが、日本の情景を描いた作品としてはとても面白いと思った。ボクはこういう映画は大好きだ。

Amazonビデオでは買い切りの形しかないため、久しぶりにレンタルビデオ屋を探し回った。時間が経てば配信はされそうだが待ちきれなかった…。

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