#200125

劇映画 孤独のグルメをレイトショーで見に行った

「監督(松重豊)・脚本(松重豊)は主演の松重豊を降ろしたがっている」

作品の熱心なアンチこと松重豊さんが監督・脚本を手掛けた「劇場版 孤独のグルメ」が1/10より公開されている。

『この間“オワコン”という言葉を知りまして、この番組にピッタリだなと思って』『お客さんが終わってもいいと思っても仕方ないくらいマンネリもマンネリで。どこへ向かえばいいんだろうという気持ち』(シーズン6前の松重豊インタビューコメント)

昨年から自室のBDレコーダーが毎週かかさず孤独のグルメ再放送を録画し続け、特に見るものがない時は筋トレのかたわらについつい再生していた。そのため劇映画のCMも何度か目にしていたものの、いつかAmazon Primeに着たら見ようかなという気持ちでいた。
ところがYoutubeでチー牛速報さんが動画でとりあげられていたのを気になって再生してしまい、冒頭のコメントが妙に心の琴線にふれたため映画を見に行こうという気持ちになった。

早速最寄り映画館の空席を調べると、自宅最寄りはそこそこ盛況だった。ところが会社から近い大きな劇場では一番大きなシアタールーム上映にも関わらず3席しか埋まっていなかった。しかもなぜか通路側。中央はがら空きだ。

おいおい待てよ。つまり最高に貸し切り気分でポップコーン食べながら映画チャンスじゃないか。と思いさっそく座席を購入しようとするとTCXルーム(プレミアムシアター)のためレイトショー価格にならなかった。それならとpontaパス(旧auスマートパス)に加入し、auマンデー(1,100円)を適用で回避。
pontaパスは月額550円ほどが必要だけれど、ローソンで無料クーポンや割引クーポンで回収できるため損はしない。映画目的であれば一月の解約でも良い。


年末恒例のTVシリーズ拡大版と異なり、しっかりとした映画脚本

TVシリーズの「孤独のグルメ」よりもクリエイティブが随所にこだわって作られていた。また画作りもTVシリーズとは異なり、映画らしさを感じることができたのも良かった。なんというか勝手に先入観から「劇場版といっても、おそらくこういう感じだろう」というイメージが良い意味で蹴り飛ばされ良さが上回っていた。

ギャグあり、人間ドラマあり、何度も展開が変わり続けながらも「スープ探しの旅」という屋台骨があるせいか起承転結しキレイに着地する脚本。広げられた風呂敷も丁寧に畳まれていき見終わったあとに「あれどうなったんだろう」が何も残らなかった。
さらに「孤独のグルメ」といえばの食堂シーンも、主演に演技だけにとどまらずその場に居合わせたお客さん役の方みんなが美味しそうに食べていた。この辺りは去年放送していた「それぞれの孤独のグルメ」の流れを感じる。

年末恒例のTVシリーズ拡大版では五郎はクライアントの無茶振りで振り回されながらも各地で食事を楽しむイメージがあるけれど、劇場版では五郎自らの意思で様々な場所へ赴き、問題解決と食事を楽しんでいた。そこに人間ドラマが絡み合っている。
とはいえどそこで見疲れをすることはない。孤独のグルメは深夜に流し見するのに丁度よい肩の力を抜いてぼーっと眺める作品。そこが劇場版になっても変わらないように思える。
だからめちゃくちゃ面白かった!と興奮するのではなく、「良い映画だったなー」としんみり見終わることができた。
そしてとてもお腹が空いた。あと美味しい炒飯が食べたくなった……。

松重豊さんには、この先も変わらず最前線で作品アンチとして主演を演じて頂きたい。