#180811-14 長野〜京都 3DAY #02

Relive ‘京都を目指して

2日目は朝からひどかった。
まず起きて歯科医に行く前に、取れた歯を洗おうとして、排水口に落としてしまった。正直、あの時の絶望感はこの旅行すべてを黒く塗り替えるほどの出来事だった。

排水装置を分解してなんとか取り出すことに成功できたのは、本当に掛け値なしに運が良かったと思う。もう本当にどうしようってくらいお先真っ暗だった…。

排水口を分解する際に塩化ビニールのパイプを壊してしまったので弁償を…と申し出たが、特に不要とのことだった。α-1はまた利用しよう…。

取れた歯を借り処置してもらうために、歯科医を探す。お盆休み中だと都会でもないと難しいかと思ったが、運良く営業している歯科医が見つかり、仮処置で良いのでとお願いし、治療してもらった。ただ予約の合間に治療となったため、治療が終わったのは昼を過ぎた頃だった。

歯の問題にくわえて、この日はもう一つ問題があった。
それは京都と富山の間にある福井県で、宿が見つかっていなかったことだ。
お盆休みのせいなのか、それとも元々福井県は宿が少ないせいなのか、インターネットでの検索はすべて満室という結果だった。(数万円払うという宿は流石に空いていたが…)

主要道沿いを走行しているわけだし、24時間の健康ランドがあるのではないかと思ったが、それすらも一杯という状況だった。それでももしかしたら地図に乗ってない店舗があるのでは?という可能性にかけて、移動を開始することにした。

幸いホテルを出た頃に降っていた雨は、走り始めるとすぐ曇りとなり、むしろ晴れになった。アスファルトの雨が蒸発するという、蒸し暑さの極みのような状態のせいなのか、この日は思うように走行速度が上がらず苦労した。

富山県を走っていると徒歩で日本一周という人がいた。
自転車でさえ日本一周は相当苦労しそうなのに、徒歩とは恐れ入る。
これはあとで調べたのだが、徒歩で日本一周した場合、3年間かかるそうだ。費用は色々安く済まそうとしても180万とかいてあった。

3年間も旅行できることの羨ましさよりも、その情報元に書いてあったことがとても印象的だった。
それは、なぜ徒歩で日本一周しようとする人がいるか。ということについてだ。

車で移動した場合、覚えているのは大きな街と印象的な建築物。
自転車で移動した場合は、道などの景色。
では徒歩で移動した場合は?ということ、道端の草木や虫などまで、ありとあらゆることを覚えていくそうだ。

つまり得られる情報量が段違いに多いということがかいてあった。
だから日本という国をより好きになるし、再発見する旅なら歩くのが一番だということだ。

今回の旅行ではお盆休みが5日という期間のために、時間に囚われた文字通り走るだけの旅になってしまっていた。
本当はホテルを朝出たら、気ままに自転車を走らせ、15時くらいになったら宿を探し、19時にチェックインして、付近を散策する。
そんな旅をしたいと思っていた。
しかし実際は時間に追われて、暑い中を走るだけの旅だった。

もちろんそんな旅でもとても印象的だった。夏の緑の濃さが作り出す景色が、ボクは四季で一番好きだ。さらに全く知らない場所を走るということが何よりもボクを興奮させる。
それでも旅はゆっくりとしたいと思うのも事実で、そういう意味では、小さな寝袋とテントを積み、走り疲れたら付近で野営するというのが本当の意味で、ボクが目指す旅の形なのかもなーと走りながら思った。

おはようございますか。高岡は雨です……

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そういえば富山県で一つだけとても気に入った食べ物ができた。
カウヒーというカフェオレの乳飲料で、コーヒーと牛乳のバランスが絶妙だった。気に入りすぎてコンビニに行くたびに、買ってしまっていた。(普段は自転車に乗る時にコーヒー飲料を飲まない)


結局、富山県から石川県に移動したのは14時を回った頃だった。
石川県の真ん中を走るコースナビのため、海沿いにある金沢は通らないと思っていたけど、結局はばっちり駅前を通過した。日程に余裕があれば、能登半島も回りたいと思っていたのだが、今回は断念した。

色々あってやっと石川県

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ホテルを出るまで、京都に行くか、それとも能登半島を回って、金沢で1泊して帰宅するかは真剣に悩んだ。京都と金沢の新幹線料金が全く同じ額というのも、悩ませる原因でもあった。
それでもやっぱり夏の京都に行きたいという欲望には勝てなかった。
夏に京都へ行く物好きは稀とは言われるが、ボクは夏の京都が一番好きだ。

夏の京都が好きな理由はわからない。
ぼんやりと思い返すと、子供の頃、夏休みは、父親のオンボロ車で貧乏旅行のような物をしていた。行き先は父親任せで、よく京都へ行っていたからというのも、理由の一つかもしれない。
京都では父親がよくお寺に行っていて、ボクは旅の疲れからぐーすかぐーすかと車の中で寝ていたと思う。
きっと、あの時父親と一緒にお寺を巡りをしていれば、いまとはまた違った京都への印象をもっていたかもしれない。結局ボクはあの時できなかったことをやりなおしたいという気持ちが強いのかもね。

夏の京都、雨がしとしとと降り注ぐ寺院。
ボクは今でもその景色に鮮烈な憧れがある。
そんなわけで、今年は京都を目指したわけだ。


さらに走り続け、時刻は夕暮れ時。主要道ながら道添いは閑散としていた。福井県の道沿いにホテルがないというのはGoogleに未登録な小さな店舗ということではなく、本当にないのでは……と気付き始め、「これは野宿か…」と考えはじめた。

野宿するなら道の駅かなーと走りながら考えていると都合よく道の駅が見えた。
休憩しながら、「ネットでは満室だけど、電話してみれば一部屋くらい空いているかもしれない」」という考えに至り、ダメ元で電話をしてみると、鯖江のα-1が一部屋だけ空いてるとのことで、迷わずにお願いした。

距離を計測すると残り70kmほどで深夜に着く旨を伝えた。
しかしそれまでの進行速度とは大きくことなり、なぜか体が軽くペダルを倍以上の速さで回すことができ、速度がぐんぐんとあがった。
やはり不安というのは体調を悪くさせるようだ。

結局21時に鯖江に到着できた。
真っ暗な道は好きではあるものの、知らない道を走るという観点では目に入る情報が少ないため、できれば夜間走行を少なくしたいといつも思っている。毎回思っているだけなのだけど。


運良くホテルに宿泊できたことはとてもよかった。野宿では回復の度合いが不安だったためだ。ただ鯖江はホテルにチェックイン後、ご飯を買いに行った時はとても後悔した。
コンビニまで最寄りでも1kmほどあったのもそうだが、そのコンビニにホテルの客が集中してしまい、空の棚が目立っていた。

ホテルの1Fには魚民があったが、旅行に来てチェーン店の居酒屋とはいかがなものか!とコンビニで済ませようとした人間とは思えない考えだが、結局、背に腹は変えられず魚民で晩ごはんを取った。
期待していなかったのだが、メニューを見ると一口ステーキ、ご飯セットとビールというおひとりさまでも安心のセットがあり、思ったより安価に晩ごはんを取れたのは良かった。むしろはじめからここにしておけばよかったと後悔したほどに。

その後は洗濯した衣類を部屋に持ち帰り、早めの布団に入った。

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