11月末の3連休は、はじめての冬キャンプをしたいと考えていた。
河津七滝オートキャンプから帰ったあと、冬キャンプ用の寝袋どうしようか悩んでいたが、モンベルのアルパインダウンハガー 800 #0は税込みだと6万近くするため購入をためらっていた。
競合する製品として3月からずーっと考えていたのが、Nanga オーロラ 750だったが、モンベルとは異なりストレッチ機構がないことが気になっていた。(価格はモンベルが¥52,000+税、Nangaが¥44,500+税)
Nanga オーロラ750は、快適温度 -6℃、限界温度 -16℃と、アルパインダウンハガー 800 #0とほぼ同じ性能のため、少しでも安いほうがいいなと考えていたボクにはうってつけの商品だった。ただNangaは人気製品のためか入荷が最短でも12月半ばというネットショップが多かった。(公式サイトに限っては高身長用のロングは取り扱いが終わっていた)
どこかのネットショップにひっそりと売っていないかと、ウロウロしていると、Nanga公式カラーのオーロラ 750 ロングのODグリーンがヨドバシカメラオンライン(取り扱いは石井スポーツ)にお取り寄せ商品として陳列されていた。
Nanga公式は再販リクエストしかなく、楽天のショップで陳列された製品は12月出荷製品で公式カラーとは異なる真っ黒の寝袋だった。
黒い寝袋は夜に見づらそうだし、できれば公式のODグリーンがいいなと思っていたが、そもそも公式が再販リクエストなのにどうするんだろう?とダメ元で注文してみることにした。
どうせ届くのは12月なんだろうと……。(11/04注文)
ところが11/12にヨドバシカメラからメールが届き、「商品確保したから送るわ。ほな」と書いてあった。公式オンラインで在庫がない商品が届く不思議さに5度見くらいメール読み直した。
そんなわけでせっかく届くならキャンプ行くかーと月末3連休をキャンプの予定とした。
いつものことだが、ボクは旅行の予定を立てるのがとても下手に思える。
一番長くてもその週の月曜日で、数週間前に予定をたてることをあまりしない。
というのもキャンプツーリングにしても宿泊ツーリングにしても、もし雨だったときにキャンセル料を払う必要がでてくるから、行けない悲しさとお金だけ出ていく寂しさに耐える自信がないからだ。(楽しみにできた料という考えは持てない)
しかし今年はキャンプブームのせいかどこも予約でいっぱいだった。
それどころか有名キャンプ地は平日問わず1月どころか2月先まで予約がいっぱいで、一体予約した人は雨が降ったりしたらどうするんだろうか?と不思議な気持ちになった。
キャンプの候補地は月曜日の段階であらかじめ目星を立てていたが、今回は別の問題が発生していた。
3連休の前週の11/15、三浦半島をツーリングに出かけた。出かけたときは快調だったが、八景島についたあと、使用1年目のMIDLANDのインカムが突然壊れてしまった。
何度充電してもすぐに電源が落ちてしまい、奇跡的に電源が入ってもノイズだけで音がならない。3連休を無駄にしたくないと思い、週明けすぐの11/16にはMIDLANDの修理センターに連絡し送付した。幸い翌日にMIDLANDよりメールの返事がきて「なるべく早めに送付します」とあったが、実際に送られたのは金曜日だった。(しかも修理ができなかったため本体交換となった)
ボクは普段、盗難防止のためにバイクから離れる際はいつもインカムをヘルメットから外していた。ただ外しただけでインカムの電源はオフにせず、通電したままの状態で無造作にジャケットのポケットに入れていた。
おそらくその時、ジャケット内で接続端子がショートしてしまって基盤がだめになったのではないかと思う。
今まで同じ使い方をしていたが、たまたま壊れなかっただけだったのだろう。次からは気をつけようと思ったし、そこまで盗難に過敏にならずトイレ休憩やコンビニ休憩程度ならつけたままにしておこうと思う。またしてもなんとも阿呆な壊し方をしてしまった。
そんなこんなでインカムはいつ戻ってくるのかなーと不安に思って過ごしながらキャンプ地を探していたが、MIDLANDからは金曜日に連絡があったため、最終的にキャンプ地を決めたのは3連休の前日の金曜日だった。
もうその時点で候補が少ないのはお察しください状態だ。
そんな中、いくつかの候補地として絞っていた中で残っていたのが、夏にいった富士山付近か、もしくは長野県のいくつかのキャンプ場だった。
ただインカムが金曜配送で土曜日午前中着となると、午後からでも間に合いそうな軽井沢寄りの「駒出池キャンプ場」を予約した。
11/21
前日夜。仕事が終わってから洗車をし、パニアケース取り付けようのマウントを取り付け、ある程度の用意だけをして寝床についた。
どうせインカムは料金引き換えとなっているため在宅しないといけない。
配達時間になるまでに起きて用意すればいいやと気楽に構えていた。
しかしほぼ積載も終わり用意が終わっても荷物が届かない。
時計は12時を回っても届かない。
適当に昼食を作って食べていたが、やはり荷物は届かない。
何故?
荷物の追跡を行うと、なぜかまだ近くの配送センターに届いておらず、集中センターの方にあるようだった。
流石に慌ててヤマト運輸の配送センターに電話すると、「道路状況によって遅れがでていて配送は2時以降となります」と言われた。
これは詰んだかなーと思い、キャンプ場に電話したところ最終チェックインの17時をすぎても無人チェックインは可能なので安全運転でお越しくださいとのことだった。お言葉にあまえて無人チェックインと薪を1つお願いした。
結局荷物は1時半に届いた。
早速Bluetooth設定をし急いで向かう。
が、家から少し走った時点で、冬用のジャケットを着ていたが肌寒いことに気づいた。まだ暖かいだろうと慢心して内側のキルトダウンジャケットを外していたが、これは長野の方に行くと凍るのでは?と考えなおしUターン。着るかどうかはさておき、パニアケースにキルトダウンジャケットを突っ込んで再出発した。
幸い高速道路は空いてたので、目的地にはすべて高速道路を使うと17時にはつきそうだった。
ただ今回の旅行は3日間のため、ETC割引ツーリングプラン(2日まで)であまり得にならないと考え申し込んでいなかった。
そこでなるべく混みそうであろう藤岡までを高速で走り、それ以降の道は下道を走ることにした。到着予定は18:30だったが、休憩をいれても19時につくなら問題ないと踏んだのだ。
高坂SAで一度休憩を取り、そのあと予定通りに藤岡出口で高速道路を降りた。
そのあとは県道174号〜国道254号と乗り継ぎ群馬県から長野県に移動する。
そうして日が沈みあたりが薄暗くなったころ、「道の駅 下仁田」に到着した。
「下仁田といえばネギだよなー、ネギを焚き火で焼いて食べるのもいいなー」と思いながら駐車場から特産品販売所を除くと、大きな下仁田ネギが2本450円で売られていた。(一番安いもの)、その他に焼いて食べれそうな野菜を探したが、カサの大きなシイタケと小ぶりなナスがあったので購入。その他の肉・魚・酒の販売はなかったため、それらはまた道の駅があったら寄って買おうと考えた。
道の駅を出ると、あたりはすっかり暗くなっていた。
日が沈んだあとの長野県は肌寒かったため、パニアケースからキルトダウンジャケットを取り出し着込んでから、再び国道254号線を西に向かう。
その判断は正しかったようで、道の駅をでてからすぐに山間部に入ったため、キルトダウンジャケットがなかったら寒くて震えていたレベルで寒かった。山間部の冷え方をなめてはいけない。
どうも行き当たりばったりで旅になれているせいで、自分がどういう道をこれから通るのかを知らずに走っていることが多い。あまりよくないが完全にナビ任せだ。
そのうちAIが暴走してナビが一方通行な崖下をゴール地点に設定したら知らないうちに落下しそう。
1時間ほど明かりの少ない夜道を、方向も周りもよくわからないままナビの言うとおり運転する。ただかなり田舎になっていたため、スーパーなどを見かけなかったこともあり、水とお酒を確保できるか不安になりはじめた。
そこで残り距離が15kmになったあたりでコンビニやスーパーを探し、食材と飲料を確保した。
毎回コンビニにお金を落としたところで旅先には何も還元できないと考え、地元の酒屋と薬局が併設したお店で日本酒750mlと缶ビール、水2リットルを購入した。
暗闇の中で設営する
酒屋から駒出池キャンプ場までは残り10kmほどだった。
バイクのLCDパネルには現在の外気温を表示させていたが、キャンプ場に近づけば近づくほどに気温は下がっていき、最終的にキャンプ地についたころには2℃と表示されていてわりと震えた。
管理棟で無人受付をしたあと用意されていた案内を頼りにサイトへ移動する。
車両侵入可能なオートサイトではあったが、平地ではなく段々畑のように各区画サイトが段になっていてプライベートスペースが確保されていた。
ただバイクだとこれがなかなか怖くて転倒しないだろうかと不安になりながらも、なんとか指定区画に頭からバイクをいれることができた。
さっそく荷物をバイクから下ろして設営を開始する。
さいわい月明かりがあったこととムーンライトでの設営は二度目のため、テキパキと立ち上げた。
次にタープの設営だが、こちらは難儀した。
サイトの地面が柔らかい粘土のような場所で、テンションをかけると簡単にペグが抜けてしまうことが何度かあった。
さらに以前のテントサイズ(ステラリッジ)感覚で小川張りしたら、テント前からタープ端までがかなり狭くなってしまった。しかたなく明日朝起きてから調整しようと思い、とりあえず設営を完了させることにした。
椅子とテーブル、焚き火台はトントン拍子に設営。
さっそくあたりに落ちている落ち葉と小枝で焚火をしようと思って火をつけるが、これがまたしっけいたのかまったく火がつかない。
具体的には火がついても、燃え続けてくれない。あげく用意してもらっていた薪も、ものすごく大きな薪の塊で、こちらも湿気っていたのかまったく火が安定しない。
今までのキャンプではこんなことが一度もなく、一度でも薪に火がついてしまえば火が消えることはなかったが、この日の薪は完全に炭化することなくすぐに火が消えてしまっていた。
そこで持ってきていたグリル台に次の薪を置いて、極力乾かせるようにしながら着火剤を投入しまくって燃やし続けた。
それから1時間ほど格’闘したあと、安定して燃え続けるようになってくれた……。
毎回キャンプでストロング系飲んではアルコールでだめになっていた経験を活かし、今回は最初だけビールを飲み、そのあとは日本酒を焚火を眺めながらちびちびと飲むことにした。
晩ごはん用に焚火で焼く食材を色々買ってきていたが、道の駅下仁田で購入した大きなカサのキノコが食べごたえ抜群な上に味わいと風味がよく、塩をふったくらいしか味付けをしていなかったが、酒とよくあい幸せだった。(結局他の具材は使わなかった)
この日は雨が降るといったことはなかったが、やや風が強い夜だった。
起きている人が周りで自分しかいなくなった23時頃、残りの薪は明日使えば良いやと思い、火が落ち着いたのを確認してからテントに移動した。
スマートフォンの天気アプリを見るとエリア気温は6度だった。
「見せてもらおうか!nanga様の力というやつを!」と思いながら寝袋に入る。
流石に快適温度が-6度なだけあって、寝袋に入ってからすぐに体温が輻射し、寝袋内が暖かくなったのを感じた。
ただ足元の方は少し寒さを感じたため、ホッカイロを準備しておけばよかったと思った。
明日はホッカイロを準備しようと忘れないようにevernoteに買うものリストを作成し、この日は眠った。
11/22
朝方に一度足元の寒さで目がさめた意外は快適に一夜を過ごすことができた。
その時の気温はおそらく氷点下になっていたように思える。
連泊すると朝方片付けなどでバタバタしないのは良いなーと感じつつ、日が登り暖かくなるまで寝袋内でスマートフォンを眺めたりして過ごしたあと、9時半頃にチェックインをして料金を払うため寝袋からもそもそと這い出した。
外にでると霜が降りていたことと、100均で買ったシェラカップに入れていた水がしっかりと凍結していたことで、昨日の寒さを改めて痛感した。
Nangaの寝袋さまさまだ。
標高1,285mで秋冬変わり目の山岳地キャンプで、テント内暖房器具なしで快適に寝れたということは、冬キャンプでも極端に雪が積もらない場所なら、現在のキャンプ用品ならどこでも快適に過ごせるという自信がついた。
今年からキャンプ用品を買いあさりはじめて、トータルで計算するとだいたい20万以内には収まっていると思う。
(高い用品順に、Nanga 750 48,000円、Mont-bell ダウンハガー800 #3 35,000円、ムーンライト2型+グランドシート 40,000円ほど、椅子 20,000円、焚き火台 11,000円、タープ・ポール 20,000円、その他諸々)
妥協すればもう少し安く買えたと思うが、ケチって後で高くつくのも嫌だし、年齢的に我慢できる限界が低いのであまり妥協せずお金を払うことにした。
とくにNangaは永久保証だし、モンベルも壊れた部分で修理・保守品があるので結果的に壊れたときが安くなると踏んでいる。
受付でお金を払ったあと、新たに追加で薪を購入した。
そのあとは昨日の焚き火の片付けや寝袋を干したりし、ついでにテント位置をずらすべくタープの張り位置を調整した。
ついでに薪も落ちている枝を拾い集め、日向に乾くようにおいた。
まずはお風呂に行こうと思いたったが、せっかく長野にいるのだから温泉に行こうと思った。
あまり遠いとまた行って帰ってで時間が経過してしまうことを考えてGoogleMapで検索するとキャンプ地から20km先に蓼科温泉があり、検索すると長野県の温泉地では評価も高くよさそうだったためルートを設定すると片道80kmと表示された。
なんでやねん。と突っ込みつつどうルート設定しても大回りに迂回しようとする。
もしかして直線距離となる国道299号線が通行止めなのでは?と検索すると、案の定去年の台風19号の崩落から復旧していなかった。
地方に行くとこの台風19号による被害の爪痕はまだ健在で、あちこちで通行止めに出くわす。
1年経ってもまだ復旧していないという現実は都市部に住んでいるととうていわからない感覚だ。やはり地方の財政状況などや過疎化が原因のように思える。
なんとかできればいいのにと思うことが多いが、こればかりは何もアイディアが思い浮かばない。
文句をいってもしかたないため、早速バイクに乗って移動を開始する。
幸い国道299号線が通行止めのおかげで、中部横断自動車道が八千穂高原ICから佐久南ICまで無料区間として開放されていた。前日に気づいていればもう少し早く到着できたように思える。といっても行かないとそんなことわからないことなのでIFすぎる現実だ。
この日は天気がとても良く、空気が澄み切っていた。
長野の山道は車も少なくすごく快適だった。
佐久南IC出口には道の駅がすぐあったが、とりあえずはスルーして進むことにした。
最悪は3日目の最終日に寄ることもできるし、食材を確保するにしても帰りがけの方がいいと思ったからだ。
国道254号を西に進んでいくと、道の駅が何度かあったため、立ち寄ってはスタンプを押していく。
そのあとはナビが案内するがままにバイクを走らせていたが、頭上に何度か「白樺湖」の文字が見えてとても気になっていた。
幼少期、まだ両親が幾分仲が良かったころ、長野県と岐阜県を家族3人で宿泊しながら旅行したことを薄っすらと覚えているが、とくに印象深かったのが白樺の高原のペンションだった。
早朝に両親につれられ、朝霧の中を散歩したことまでは覚えているが、それがどこだったのかは全く覚えていない。ただ微かに周りの木が白樺の林だったことだけは覚えている。
もしかしたら白樺湖というくらいだから記憶の景色が見えるかもしれないと思い、温泉の帰りに寄ることにした。
県道40号線からビーナスライン(県道192号線)に入り、温泉地を目指す。
どんどんと標高が高くなっていくため、温泉地は標高が高い位置にあるのだなーと感じた。
また走っている途中の景色が本当に美しかった。
長野は何度来ても、どこを走ってもバイクで走ると気持ちが良い県だと感じる。
蓼科温泉をナビゲーションに設定していたが、具体的にどこの温泉というのはいれていなかったためか曖昧な地点に案内された。周りを見てどこが日帰り温泉として良いのかがわからなかったため、まずは「道の駅 ビーナスライン蓼科湖」が近くにあるようだったのでそちらに向かうことしにた。
しかし道の駅 ビーナスライン蓼科湖は、仮設なのかな?と感じるくらい施設が簡素な作りだったため、飲食などの休憩はせずにスタンプだけ押印し、駐輪場で温泉をさがすことにした。
最初に探したときは蓼科温泉共同浴場に惹かれたが、せっかくなので見晴らしの良い温泉に浸かりたいと思ったので周辺の温泉を探したが、景観が良い温泉は日帰りでもかなりの値段だったため、値段がそこそこ安くて良さそうな「小斉の湯」に決めた。
小斉の湯は6種類の湯が楽しめるとのことだったので向かったが2種類は女性専用で、貸切予約が必要な湯もあるため、実際は内湯と岩間の湯、見晴らしの湯の3種類に入ることができる。
ただ問題として各湯は館内通路含む通路でつながっているため、湯に入るたびに着替えて移動する必要がある。わりとそれが面倒に感じてしまい、お湯は良かったがボクは内湯と岩間の湯だけで満足してしまい見晴らしの湯にはいかなかった。
館内はそこまで混んでいるという状態ではなかったが、ひっきりなしにお客さんが来ているようで人気の度合いが伺えた。
休憩室で休んでいると思いの外時間が経過しており、この時点で14時30分をすぎていた。
やはり片道80km下道は時間がかかるようだ。
休憩もそこそこにバイクに戻り出発する。
温泉からまっすぐ帰ることも考えたが、幼少期の記憶にある白樺の森かもしれないと考えると、どうしても確認したい気持ちが強かった。
幸い白樺湖は帰り道からそこまで逸れることはない距離の寄り道だった。
当たり前の話だが、何十年も前と今では景色が様変わりしていたのか、それとも思い出の場所とは違ったのか視界に入る景色が懐かしいと思うことはなかった。
ただ個人的には白樺は好きなこともあって、ゆるやかな湖周辺を周遊路を一周し、満足したあとは帰路についた。
帰りに道の駅に立ち寄り食材を購入する。
レジに並んでいるとき、ふとセブンイレブンにある鍋焼きうどんを食べたあとにその鍋で下仁田ネギを煮込めば鍋ができるのでは?と閃きさっそく購入した。
さらにホッカイロと着火剤、ガスボンベも心もとなかったので購入しチャンプ地に戻った。
疲れからバカなことをしてバイクに傷をつける
キャンプ地に戻ったときにナビゲーションの完了音声とともに「雨が降ります」という情報を聞いたとき、バイクカバーを持ってきていないのでタープ下にバイクを停めれないだろうかと、ふと魔が差して思ってしまった。
通路からテント設営スペース(サイト)はやや下っていることを忘れていたため、頭から突っ込だものどう考えてもタープに入らないため、戻ろうと思うもうんともすんとも後ろに下がらない。仕方なくバイクから降りて後ろに押そうとしたが、足場が悪く滑ってしまい転倒させてしまった。
タープのメインポールにタンクが接触してしまい、タープが倒壊することはなかったが、バイクのタンクに傷がついた。(この時点で全く気づかなかった)
パニアケースをつけていたため、カウルなどには傷がついていなかったので安堵していたが、しっかりやらかしていた。この時点で少しテンションが下がった。
しかも雨予報とあったため、バイクを駐車したあとは急いで焚き火に火をつけた。
幸い日中乾燥させていたこともあって焚き火はすぐに安定した薪まで燃焼させることはできたが、そのすぐあと前方から吹き込むように雨が降ってきた。
斜めに吹き込んでくる雨に対して小さいタープでは防ぐことができないため、せめて火が消えないようにと薪を投入し続けた。
そのあとは早く雨雲が通り抜けることを祈りながら薪を燃やし続けたが、1時間たっても雨雲は頭上に滞在したままで雨が振り続けていた。
明日の撤収が大変そうだな……と思いながら、鍋焼きうどんを作ろうと火にかける。
しかしこれがまた全然というほど沸騰しなかった。
安定した火力のガス火になれてしまっていたせいか、安定しない火力の焚き火で、さらに火元から少し離れていたこともあり、かなり沸騰するまで時間がかかった。
うどんを食べたあとは、早速下仁田ネギと鍋の素をいれて再び煮込む。
これまた時間がかかったあとに鍋は出来上がったが、想像していた味とは程遠く、「なんか食べれなくはないけど、積極的に作って食べたいものではない鍋」みたいな残念なものができあがった。
食事はそこまで美味しくないし、雨は吹き込んでくるしと散々だなーと思いながら、それでも道の駅で買ったどぶろくは間違いない逸品だったので、酒をガバガバ飲んで焚き火をしてすごした。しかし750mlを飲むのは大変だったので、今度から酒の量は減らしたい……。
薪が思った以上に大量にあったが、ココでも貧乏性ですべて燃やそうとかんがえてしまったためなかなか火元を離れることができず、結局23時を過ぎたころにやっと落ち着いた火を尻目にテントに入った。
それから2時間後、風の勢いがましてきたことでタープがはためている音で目がさめた。
大丈夫だろうかと思っていると、石で抑えていたにもかかわらず一本ぬけてしまい、タープが大暴れしはじめた。
さすがにそれはまずいとテントから飛び出し、再固定しようとするも、元々固定していたペグが見つからず雨の中あたり探す羽目になった。
スマホのライトで探したが結局見つからず、仕方なくテントのフライシートを固定していたペグを引き抜きタープを固定した。石も元々抑えていた物よりさらに大きい石を探してきて押さえつけた。
念のため他のペグ部分の石も確認したが、他は問題がなさそうだったため再びテントに入り眠りについた。
11/23
3日目の朝は8時前に目がさめたが、タープを雨が叩いている音がしていた。
レーダーを見ると雨雲はなかったのでしばらくすれば止むだろうとスマホをいじりながら待っていたが止む気配がなかった。
撤収準備をできるところからでもすすめていこうと、まずは洗い物でもと思いテントの扉をあけると、先ず目についたのは昨晩見当たらなかったタープのペグだった。
何故かテント入り口にペグがあったが、おそらく強風でペグごと抜けて風であばれまわったときに偶然入り口に落ちたのかもしれない。
しかしそうなると、もしよしんば昨日バイクをタープ内に入れていた場合、暴れまわったペグのついたタープで傷だらけになっていたのではと思うと、バカなことをしなくてよかったと思ったし、そもそも今度からは雨が気になるならバイクカバーの購入を検討しようと思った。(ただこれは高い)
その後いつもどおり撤収準備をすませたが、やはり雨の後は掃除が大変なため予定よりも時間がかかり、結局3時間ほどかかって11時前に完了した。
3日目は下道で帰るつもりだったのでナビゲーションにルートを指定後、キャンプ地宿泊した場合に割引が聞くという平尾温泉「みはらしの湯」によって帰ることにした。
キャンプ地を出発してしばらくしたあと、念のため忘れ物がないかだけを再確認しようと道脇に停車し、荷物の点検と積載の緩みを確認した。
ついでに昨晩の転倒でどこか傷がついていないかカウルを確認したあと、ふとタンクを見るとしっかり傷がついていた。
この時点で凄まじくテンションが下がってしまった。
どうしてあんなバカなことをしてしまったのだろうと後悔しながら、走り続けたが温泉に入っても気分は晴れることはなく、修理費はいくらなのだろう。なんて馬鹿なことを……とクヨクヨしながら走っていたらいつの間にか軽井沢を抜けて群馬県の県道に入っていた。
結局その後、食事らしい食事もしないまま呆然と走り続け幸い事故はしなかったが「この状態は良くない」と考え、吉野家で食事休憩をしたのは18時頃だった。
ネットでキズ消し等を調べながら帰っていたがタッチペンで上手くすれば消えるという情報と、ディーラーで再塗装しかないという情報に頭を抱えながら帰宅した。
帰宅後は道具類が泥がついたままだと後片付けが大変だと考え、疲れた体に鞭をうって泥を石鹸で洗い直したりキレイに磨いて乾燥させた。
さすがにバイクの掃除までは気力が持たず、この日はそのままカバーをかけた。
(バイクのキズ消し奮闘はこちらの記事で書いたので省略)
キャンプが楽しかったかーというとキャンプをしたという認識が薄く、どちらかという長野県をバイクで走り回ったという記憶の方が強かった。
そうなってくると別にキャンプをする必要がないのではないだろうかと思い始めている。
僕自信は色々な場所を見て回るのが好きなので、遠出してキャンプするとキャンプ目的よりも観光したい欲が強くてあまりキャンプできていないなーと感じる。
それならホテルに宿泊したほうが良いような気がする。
来年はまず近場でキャンプしてみて、キャンプを楽しめるかどうかを確認したいと思う。