#200717

友人から以前、「電車の混雑をデザインでなんとかしたい」というNaverまとめに対して、本職デザイナーとしてこれどうなの?と言われたことがある。

そのことについても辛辣に評価したのだが、僕は今多くの人が使う”デザイン”という言葉と、職業デザイナーが考える”デザイン”はとても違うものになっていると思う。

例えば、ホットな話題だと、これもTwitterのネタとなるが、バスや電車の社内案内板で繁体字と簡体字が”/”で区切られているものを「優れたデザイン」と言う人が多かった。
これは台湾の方が訪日した際に、同じ漢文表記でも中国本土は「簡体字」、台湾は「繁体字」の方が主として使われているためだから、という意味もあるだろう。

ただ僕はそれが”デザイン”だとは考えない。
それは”デザイン”ではなく、”レイアウト”しただけなのだと思っている。
しかし実際は「簡体字 / 繁体字」で台湾の方に配慮した優れたデザイン!と賛美している方がTwitterでは多いようだった。つまり多くの人が”デザイン”という言葉で考えるものは、こういった「目に見えるわかり易さや記号的な物’なのだ。

でもそれはデザインの表面的な意味でしかなく、wikipediaの語源の項では


デザインの語源はデッサン(dessin)と同じく、“計画を記号に表す”という意味のラテン語designareである。

また、デザインとは具体的な問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現することと解される。

日本では図案・意匠などと訳されて、単に表面を飾り立てることによって美しくみせる行為と解されるような社会的風潮もあったが、最近では語源の意味が広く理解・認識されつつある。

形態に現れないものを対象にその計画、行動指針を探ることも含まれ、就職に関するキャリアデザイン、生活デザイン等がこれにあたる。


なので、僕がもしこの多言語化問題をデザインするならば、スマートフォンや携帯で変換可能なQRコードを表示させ、端末を通して見ることで閲覧者が慣れ親しんだ言語に自動変換される物を作る。
Google翻訳がカメラを向けると翻訳された物が表示されていたが、あれは一度文字を認識しなければいけないため、QRコードにUTF-8の文字情報を入れれば正確に翻訳できるのではないかと考える。

僕はそれが”デザイン”なんじゃないかなーって考えている。
電光掲示板は、日本語(そこで暮らす人を第一に)を主として、英語(訪日者向け)を副に(訪日の方が咄嗟にでもわかりやすいように)、ソレ以外は上記QRコードで対応することを提案するべきだと思う。

郷に入れば郷に従うって、配慮やおもてなし以上にお互いの距離感を大事にしませんかという提案だと思うのです。土足で上がり込んで我が物の顔で好き勝手する人に尽くす礼は、不要じゃないでしょうか。

さておき、デザインを表面上の問題だけで解決しようとすると、どうしても要素を詰め込んだりということになりがちだ。
でもデザインの目的は問題の解決方法にあると思うので、訪日客全員に配慮しましょうというより、よりもっと上手い方法でわかりやすくすることがゴールになると思う。

そういう認識がなく見栄えだけなのは、”デザイン”ではないと思うのです。

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