#011025

そんな日もある

昨日から歯が痛いというよりかは噛み合わせと響くような痛みに苛まれている。
一晩寝たら少しずつ収まっているから歯茎に細菌が入って腫れているのだろう。抗生剤で治療はできそうだけど、自然治癒もしそうなので少し経過を見ようとおもった。
ただ痛む歯茎近くの歯に食べ物があたると、もんどり打ちたくなる痛みに苛まれる。

「このまま食べるのが困難な余生を過ごすくらいなら、潔く逝去したい」

最近のSNSで、「常日頃から希死念慮に取り憑かれている人間は異常。だから自分は異常」という投稿を目にした。「中学校で上手く卒業できなかったのかい?」といいたくなる主張だ。
希死念慮は別に異常でもなんでもない。自分を特別だと思ってるのに、とくに人より秀でた要素を見つけられない人間は、早く諦めてありのままの自分と向き合う努力をするべき。
今がどうしようもなく楽しい人間以外、誰だって消えたい、死にたいという感情に間がさすもんだ。

そんなこんなで「よし、今日を人生最後の日だと思って楽しもう」と退社。
最後の晩餐を何にしようかなーと思うも「噛むのが困難だから人生が楽しくない」だから死にたいんだった……という現実を再認識した。
それなら噛まないで良い酒でも飲むかーといつもの角打ちへ。

人生最後の酒かもしれない、とガブガブ酒を飲んだ。
その後、「そうだ、大好きなモロゾフのカスタードプリンを買おう」とモロゾフがある商業施設に立ち寄り購入。
クリスピー・クリームのドーナッツも見えたけれど、「だめよ。流石にそれはオーバーランよ」と心のマツコ・デラックスが咎めてくれたので抑えることができた。ありがとうマツコ。

さらにお気に入りのパン屋にも立ち寄り、普段だと「カロリー高そう……」と避けていたデニッシュパンも購入。
歩きながら食べると、口の中が上品な甘さと香ばしい小麦の味で満たされ幸せになった。
この上、さらに部屋にもどればプリンも待っている。
いいんですか〜いいんですか〜こんな幸せでいいんですか〜

帰宅し、泥酔ナイトレインで遊ぶ。
当たり前のように紫芋バームクーヘン連続。飲酒運転はよくない。
でも楽しかった。

寝る前に買ってきたプリンを食べる。
モロゾフのプリンは一口、二口目が美味しい。
表面の少し固い部分を薄くスプーンですくい取り食べる。これが至高。
しかしそれは、その後に待っている柔らかい食感の層があるからこそ。
この蛋白ながら程よい甘さと卵の味を少しでも長く楽しむために、底にあるカラメル層までギリギリまでスプーンで掘削して攻めていく。

モロゾフのカラメルの味は濃さとビターさが絶品だ。
商品写真ではお皿にひっくり返しているから、きっとこれは始めから全体に絡めて食べるものなのだろう。だが、ボクはこの最後の最後に少しだけ混ぜて食べるのがベストだと思っている。

一度、贅沢に5個買ってきて「死ぬ前にモロゾフのプリンを嫌になるまで食べてみたい」としたとき、思い立ってこの逆さにするやり方を試してみたけれど、「やはりいつもの食べ方がベスト」と確信した。

ならカラメルない方が良いのでは?というのはまた違う。
実際それは思ったことがあり、自分で作ったときにカラメルを作らなかった。
結果なんとも後味がぼんやりした物になった。
プリンなんて誰でが考案したかは存じないけれど、カラメルを加えたことは、まさに天上の一品に至る神の一手だ。絶の妙。

プリンにも満足し布団に入ると、いつの間にか歯茎はそこまで痛まなくなっていた。
もし明日起きれるならまた頑張ろう。

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