ステレオ・プリメインアンプ(Teac AX-501)とスピーカー(JBL L52C)を購入した話

長いわりにつまらない話になりそうなので、はじめに要点だけを書こうと思う。

TeacのAX-501とJBL L52Cをヤフオクで安く購入した。(それぞれ3.5万円と8万円で)
どちらも本体のみだったため、AX-501は電源ケーブルも購入。
手持ちのDAC Teac UD-501とRCAケーブルで繋ぎ、スピーカーケーブルは1mの切売りで接続することにした。色々と情報を漁った結果、RCAケーブルは規制品で手頃な価格のものは評価がマチマチだったため自作することに。(RCAケーブル:RCA端子処理されたケーブル。コンポジットケーブルとも。黄色:映像、赤白:音声)
SoundHouseBELDEN 88760 オーディオケーブルを1m (740円)、両端のコネクターはTOMOCA JS-65W/Rで制作。(1個280円×4)
Amazonで購入すると端子処理済みが4,000円近いが、自作すれば1,800円ほどだ。
スピーカーケーブルはYラグで端子処理するか悩んだが、とりあえずはいいやとCANARE 4S8Gを5m購入。こちらは1m単位で280円。(こちらもAmazonだと高い)

2022/12/09 その後、スピーカーケーブルはYラグで端子処理した。

CANARE カナレ 4S8G 黒 スピーカーケーブル m/切り売り

CANARE カナレ 4S8G 黒 スピーカーケーブル m/切り売り

890円(11/21 03:14時点)
Amazonの情報を掲載しています

RCAケーブルをちゃちゃっと電子工作して接続した。
そこまで器用な方ではないが、コネクターの端子接続の半田付けは落ち着いてやれば失敗しても何度でもやり直せるので、納得がいくまで丁寧に取付作業を行う。

BELDEN 88760とTOMOCA JS-65W/R

テストでスピーカーを鳴らしたとき、机に直置きしていたのが原因なのか共鳴したようなポワンポワンとした音だった。やっぱり何かインシュレーターを買うかレンガでも置かないとだめかなーと感じた。
しかしインシュレーターは最低でも2,000円からと中々に抵抗のある価格。
そこで何か最善策はないかなーと再度インターネットをウロウロすると、ホームセンターに売っているM8の袋ナットで良いというBlogを見たので、それにすることにした。
壁にポスター貼り付けるためにつかっていた「OTOKU 両面テープ」がモチモチした材質で張り合わせる素材を選ばないし、重さで底面に傷もつけないだろうと考え使用した。
鉄筋コンクリート壁にポスターを貼り付けるのにも便利だし、1つあるととても重宝する。

改めて鳴らしてみると思ったよりも良い音だった。
正直ケーブルが値段でどのくらい差がでるかはかわからない。出せる価格帯でどのケーブルが自分にとっての最適なのかを調べることが、とても頭を悩ませたし結局はわからなかった。なんというかバイクの鍵問題のときと同じような無意味に近い思考迷路になった。
最高や最低はなんとなくわかるけど、人によって異なる出せる予算に対しての最適はどこにも書かれていない。

「貧乏人は時間を無駄に使い、金持ちは時間のために金を使う」というのを最近目にした。
たしかにウンウンと頭を捻るだけで決断ができず、時間を無駄に使って探しているのは、なんというただの時間の無駄のように思えたから、ほんとうにそうだなと感じた。

そこで色々ボクが観測できた情報の中で得た最適解は、再生機器(DCA)とアンプを繋ぐケーブルは「BELDEN 88760を使ったRCAケーブル」、アンプと10万円前後のスピーカーをつなぐ場合、スピーカーまでの距離が3m未満であれば「CANARE 4S6G」。3m以上の場合は「CANARE 4S8G」が良いと思った。(6と8は純粋に太さの違いになり、数字が大きくなるほどケーブルは太くなり外からのノイズに強くなる)

この場合の良いというのは、出した費用に対して損はしない。良すぎるわけでも悪すぎることもないというニュアンスだ。初めて選ぶならベストな選択肢ではと思う。

CANARE ケーブルスペックシート

ボクの場合、片側2.5mで繋いだので4S6Gでも良かったのだが、サウンドハウスだと値段が数十円の差だったので、いつもの「大は小を兼ねるや!」の頭悪い理論で4S8Gを購入した。
ちなみに4S6・4S8ともに何もないものとGがついているものがあるらしく、Gがついてる方がグレードが高いとかなんとか。値段がそれこそ10円しか違わないので、どうせ買うならGが付いてる方がいいだろうという安直さ。

もしアンプとスピーカーまでの距離が1mであれば単価1,000円のスピーカーケーブルが競合となる。ボクもそのあたりは一度候補にいれていたし、今でもZONOTONEの青く美しいケーブルには心惹かれる物がある。エントリーラインに1500SPが存在しているがだいたいボロっカスに酷評されているのでどうせ買うなら2200が良いっぽい。
ただ「L52 Classicの価格帯スピーカーだとケーブルがいくら良くてもスピーカー側が負けるということが起こりますよ」とヨドバシの店員に言われたので結局買わなかった。
ベルデン 9497もエントリーラインでは鉄板と評判がある一方で、批判も多いスピーカーケーブルだった。

結局それなら日本製で安いしでCANAREでいいのではとボクは4S8Gを選んだ。
ちなみにスピーカーまでの距離が左右で異なる場合も同じ距離のケーブルでつなぐというのは確かに伝導距離が左右で異なったら微弱に抵抗も異なるし、より近い方が極わずかでも先に駆動してしまうよな……。

ZONOTONE 6NSP-Granster 2200α/m 切売

ZONOTONE 6NSP-Granster 2200α/m 切売

2,180円(11/21 15:27時点)
Amazonの情報を掲載しています

DACとアンプはXLRケーブル(CANONケーブル)の方が高音質なんじゃないの?って意見をお持ちの方は、そう思うならそれでいいと思う。もしケーブルの種類を悩んでいる方がこれを見ているのであれば、電気回路とノイズの問題なので再生機器(DACとか)とアンプが近いならRCAケーブルで接続した方が素直に良い。

続きはAV環境を更新しようかなと思った理由とか、新しくしたAV環境の感想とかそんなくだらないお話。

AV環境を更新しようと思った理由とか

ボクはかれこれ15年ほど「BOSE Companion3 SeriesII」をPCオーディオとして使用していた。聞いている音楽が雑多なこともあり、特に不満らしい不満はなかった。
ただかなり前に同シリーズの生産が終了してしまっているので、もし壊れたときに自分では修理できそうにないことが気がかりだった。
そこへ2年前に電源ON/OFFを制御するコントロールユニットが壊れ、「もしもまたどこか壊れたら部品も無いだろうし直せないといわれたらどうしよう」と、保険対策を頭の片隅でうすくぼんやりと考えはじめていた。

そんなある日、たまたまメルカリを見たとき、使用しているDACユニットのTeac UD-501のつがいとなるステレオ・プリメインアンプユニットAX-501が4万円で出品されていた。
定価が10数万円の商品だったことを、この時調べて初めて知ったのと、UD-501も新品だと同じくらいの価格の商品だった。(それまでは定価が5万円くらいと思っていた)
AVアンプといえばかなり大きな筐体イメージしかなかったため、A4サイズの小型・省スペースシリーズでなおかつUD-501とピッタリ重ねる。くわえて小型ながら出力は本格アンプというのはとても魅力的に感じた。

ただ現行のAX-505は新品だと14万円と手が出そうになく、メルカリで販売している物が値下がりしないかなーと見守ることにした。ところが数日後には何の交渉もなくポロっと売り切れてしまい、転売されるのかと思いその後も再出品をチェックしていたが、結局販売ページに並ぶことはなかった。

TEAC プリメインアンプ ブラック AX-505-B

TEAC プリメインアンプ ブラック AX-505-B

133,000円(11/21 17:53時点)
Amazonの情報を掲載しています

そんなこんなでさらに数ヶ月すぎ、暇な時にポチポチとあきらめず検索しつづけていたら今度はヤフオクで3万円で出品された。メルカリの失敗を活かし「これを逃しては次の機会は当分ないのでは」と考え、可能な限り落札を目指すことにした。

オークション最終日2時間前から価格を見守り、15分前から競売に参加。
幸い古いマイナーなモデルとあってか、アコギな転売屋もおらず何度か高値更新を行った末、34,000円で落札できた。

しかしそうなると今度はスピーカーが問題となる。
手持ちのBOSEはアンプ内臓型のため、プリメインアンプにつないでまた増幅というのはなんともやりすぎな気がした。
そこで昔から温め続けてきたJBL 4312への気持ちが再燃するものの、どこに置くねんという現実と正面衝突。それならここはブックシェルフ型の4312 M2は……と思うが、いやでもそんな妥協して……と葛藤。

ただこのスピーカーに関しては、以前のBOSE故障時から探していて、ある日ぼんやりとYoutubeを見てるとGoogle検索履歴から音響関連の動画がおすすめでスピーカーレビューが並び始めた。
動画紹介の中でも、4312 M2の検索からなのかL52 Classicと4309の比較がよく出てきた。価格はほぼ2倍だし、評価はもちろん4309が良いのだけど、スピーカーの見た目はL52 Classicの方が好みだし、値段も手が届きそうだった。(Amazonで94,000円)

JBL ブックシェルフスピーカー・ペア L52 Classic (ブルー)

JBL ブックシェルフスピーカー・ペア L52 Classic (ブルー)

118,800円(11/21 17:53時点)
Amazonの情報を掲載しています
JBL 4309 ペア ブックシェルフ型 2ウェイモニター スピーカー

JBL 4309 ペア ブックシェルフ型 2ウェイモニター スピーカー

172,000円(11/21 17:53時点)
Amazonの情報を掲載しています

10万円を切っていることもあって、買うならこれかなーとAmazonの欲しいものリストに入れてはいたがJBLは値段が一向に下がらないので、そのうちいつか買おうと思っていた。

そこにアンプが突然購入できたことで、今が買うときでは?となった。
ただ、もう少しなんとかして上手く安く買えないものかと再度ヤフオクを見てみると、なんと偶然にも新古品のようなものが個人から出品されていた。

個人出品のため消費税もなく8万円ぽっきり。
これは買えるなら欲しいが、どう考えても転売に狙われそう……と思いながらヤフオクを見守っていると最終日15分前でも入札0件。
しれっと入札したところウォッチリスト50件にも関わらず、誰も入札せず無事落札できた。

はからずとも本来25万相当のものを11万円で購入できて万々歳だ。なんとも運がいい。
落札後も同じ商品の出品状況を確認したが、出品されることもなく、思い切って買って良かった……と胸を撫で下ろしている。

出来上がったAV環境の感想とか

出来上がったAV環境で一通りよく聞いていた音楽を再生してみた。
Jazzはちょっと思い出補正が強い「Eddie Higgins Trio / Stolen Morments / Israel」から。思い込み補正が強い感想になるが、JBLのスピーカーで聞くJazzはやはり良いなーと思う。素直に「この音が聞きたくて買った」という感じ。いい音を聞くために高いお金出して買ったというより、JBLのスピーカーが作り出す音の空間を自宅に作りたくて買ったまである。

ただ年中Jazzをずーっと聞いているのか?といわれるとそうではないわけで。
ボクはこのあたりがAV環境沼にはまらない理由で、アニソンやらJ-POPやらUK Rockやテクノ・トランス、World groveまで雑多に聞く。
とくにアニソンやテクノ・トランスは楽曲は、そこそこの高級AV環境で聞くものか?といわれるとたぶん違うのだろう。
スピーカーよりAX-501側の問題かもしれないが、聞き始めは特定の音域がこもった音になっていた。たぶん前の持ち主がこの手の音楽を聞かなかったのだろう。

数日ほど色々聞いた感想だと、今までのBOSE環境ではウーハーがズンドコズンドコと鳴っていて満足感のある音が作られていた。そうすると低音を響かせていたウーハーがなくなることで音が物足りなく感じるのではと思っていたが、意外とそんなことはなくBOSE環境と比較しても、そこまで明確に変わったように感じなかった。
Jazzやクラシックに限定すれば、断然新しい環境の方が良い。

面白い変化で言えばスピーカーサイズが大きくなったせいなのか、デスクから離れても部屋中に音が反射していて、少し離れた布団の上で寝てても音がよく聞こえる。部屋のどこにいても違和感なく音楽が聞こえるのは面白かった。

少し悲しかったのは、Keith Jarretの新譜「Bordeaux Cocert(Live)」が今年夏頃に配信され、1曲目のPart Iがとても好みで、これはJBLで是非聞きたいと思った。
しかし念願叶って再生したもののそこまで大きく感動しなかった。どちらかというと感動できなかったが正解。

人間は年を取ると素直に感動することすら難しくなる。
もっとよく聞く方法があるのではないだろうかと、あるがままを受け入れられなくなる。
過ぎ去った時間を惜しみ、若かりしころに聞いて感動した音の輝きを求めてしまうのだろう。

ただ20年前に思い描き、いつか欲しいなと思った音楽環境を手にすることができたことだけは、素直に喜んでいる。あとはレコード再生機はSONY PS-LX310BTを買って、Jazzのレコードを集めたいな。

Teac AX-501 / 505共にレベルメーターがあるのが購入の最後のひと押しとなった。
特に何かが変わるわけではないけど、高級感がぐっとあがるし、無意味であっても針が動いているのをぼーっと見るだけでも楽しい。
満足感がある。

おまけL52 Classicの購入を検討している方向け

以下の条件に全て当てはまる場合は、とてもオススメです。
ヤフオクやメルカリで売りにくい商品なので、そこを見込むならより有名な商品にしておこう。

  1. お持ちのアンプユニットの出力インピーダンスが4Ωに対応(L52 Classicは4Ω)
  2. 持ち家ではなく賃貸に住んでいる
  3. コンパクトなスピーカーを探している(デスクトップオーディオとか)
  4. 普段良く音楽を聞いている && クラシックはあまり聞かない
  5. SNSなどのフォロワーや知人・友人にAV音響マニアがいない
  6. 初めての10万円代のスピーカー購入で長く使いたい

逆に言うと、上の条件とくに2番と3番にあてはまらない場合で、なおかつ1番が8Ωまで対応しているのであれば、素直にヤフーオークションでJBL4312Aの中古品を買うほうが満足度は高くなると思う。(相場8万円ほど)

もし5番が該当しない場合は、死ぬほどオススメしない。
せっかく10万円近く払ったのに、ケチョンケチョンに貶されて嫌な思いをしたあと、刷り込まれた印象で満足ができなくなり手放すことになりかねない。

そうならないように端っからJBL 4312Gや単品15万円レベルのスピーカー(雑誌や音響マニアのBlogを読んで高評価のものを選ぶ)を新品で買う方が満足を得れるのでオススメ。
どちらにせよマウントされ殴られこそすれ、ノーガードで殴られるわけではなく、ガードした上で殴られるのでダメージは低めになる。

自分で選んで購入し所有する満足と、その機器が奏でる音楽。
自分以外の他人の評価や気持ちが介入する余地なんて、どこにもない。
自分だけの世界を存分に楽しもう。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください