珈琲&BEANS カリオモン
数年前にビーナスラインをツーリングしたとき、白樺湖のほとりに静かに佇む白い建物の喫茶店が目に止まった。その居住まいから妙に心惹かれ立ち寄ることにした。
お店の名前は「珈琲&BEANS カリオモン」
大きく貼られた「自分で焙煎した珈琲が飲める店!」というのがとても気になった。
コーヒー豆は生鮮食材
店内はアンティークとモダンの調度品と家具。
窓際の席に座りメニューからコーヒー豆を選び、自分で焙煎を行う。
焙煎した前を抽出している間、「皆さんは珈琲豆というと焙煎された物か、すでに粉になっているものを普段目にされていますが、コーヒー豆は生鮮食材なので鮮度が良いものを焙煎し、すぐに飲むのが一番美味しいんです」と店主が説明してくれた。
そして抽出された珈琲を飲んでみると、オリジナルブレンドの影響もあるが、今までに飲んだこともないフレッシュですっきりとした美味しさ、飲みやすさに感動した。これがシンプルに驚きを覚えたことで、とても気に入ってしまった。店内で売られていた陶器の焙煎機が目に止まり価格に悩みながらも退店。
帰りの高速道路を運転しながら、そういえば高校時代の友人に久しぶりあったとき「最近は週末に珈琲焙煎するのが趣味だ。とても奥深く研究のしがいがある。楽しいから一緒に研究しないか。問題はコンロまわりは酷いことになるから嫁に怒られることだ」と話てくれたな、と、ふと思い出した。ちなみにその時ボクは「えぇっ……(ドン引き)」みたいな反応をしていた。
帰宅後にAmazonで探すと4,000円ほどであった。
悩んだ末に購入し、豆も注文。豆はボクは珈琲といえばモカが好きなので、そちらの生豆を注文した。どうせ失敗するだろうと安いものを選んだ。
さっそくコンロでフリフリと焙煎してみると、ほどなくして炭になった珈琲ができた。
MISSION FAILED。
知ってた。いやしかしボクはダークローストが好みだ。ワンチャン……なかった。
そしてコンロまわりが割と大惨事だった。
そして端折って結論を書いてしまうと、コーヒー豆は生鮮食材というのに帰結する。
その後何度もコーヒー豆を購入し、めんどくさくなって大量に一度に焙煎できる焙煎機も買い直し、コロナ禍で豆の価格があがるまでは週末珈琲焙煎をするほどには趣味となった。
焙煎機は風情もへったくれもないし、間違ってもこれを室内コンロで使ってはいけない代物だが、マルカの豆煎機が最適解。大きい・直火・掃除が楽く・安いは正義。
焙煎は手を常に動かし続ける必要があるため面倒ではあるものの、ベランダに卓上コンロを置いてやれば掃除の手間は少ない。生豆は1kgを買っても実際に使えるのは600〜750gになるというのも後からわかった。(虫食い・割れで使えない・美味しくないの原因となるクズ豆が混じっている)
それらを差し引いても、焙煎することで室内を満たすコーヒーの香りが好きだった。
ちなみに生豆をAmazonで買う場合は、上の松尾珈琲をおすすめしたい。理由はこのクズ豆の割合が価格の割には少ないと評判のためだ。酷いところになると「毎度1kgです!笑笑」で使える豆が200gはザラのよう。
ただいくら焙煎が上手くなっても白樺湖で飲んだあのフレッシュな味は遠かった。
あの味はどうしたら出せるのだろうかとあの手この手を試してみたが、やはり生鮮食材というのに帰結する。つまり生豆の鮮度と品質。
東京都でも生豆を扱っているお店は存在するが総じて高い。ふっつーに高い。Amazonの2〜4倍の価格だ。安くて美味しいコーヒーを自家焙煎で堪能。というのは幻想だと気づいた。
結局、コロナ禍で今のようにコーヒー豆はAmazonでも安値が1kg 2,000円相場となり、それなら成功・失敗判定が付きまとう自家焙煎で時間をかけてやるより、澤井珈琲で定期的に買ったほう良いんじゃ……となり無事出戻りとなった。
それでもたまに焙煎する趣味としては良いと思うので、常磐焼の焙煎機をたまに使う。
美味しいコーヒーの道は長く険しい。
そしてまたビーナスラインを走り、カリオモンへ行きたいなーとふと思い出したので投稿。(今年は激混みと見ていかなかった)