¥1,000ほどで得られる上質な味
長年職場でコーヒーを淹れている。
朝出社し豆を挽いて、その日の分量(HARIO COFFE SERVER 03)を用意する。あとは席でずーっと仕事というサイクル。
豆こそ澤井珈琲でその時その時で安い大入り袋を買っているものの、そこまで拘っていない。しいていうならば、色々な通販先で豆を試してみたけれど澤井珈琲が価格と味のバランスが良いと感じただけだ。こだわりがあるわけではない。
豆を挽いて抽出するとき一応は気を使って90℃くらいまでお湯を冷まし、少量含ませ20秒ほど蒸らす。そのあと「の」の字を書くようにお湯を淹れる。
そういった基本は踏襲している。
しかし出来上がったコーヒーは、突き抜けて美味しいわけではない。だから珈琲に集中して飲むには物足りない。しかし仕事しながら飲む分には丁度よい。そんな味。
まるで自分の人間性みたい味だ。
もちろんそれ以上の味を求めれば、喫茶店や珈琲ショップに行けば良いという余地があるとも言える。実際スターバックスに行くたびに、「同じ豆を使うことがあるけれど、この味にならないな」と何とも不思議な気持ちになる。一体何が違うのか。
そんなある日、以前から存在は知っていたけれど、そんな変わらんだろうーと思っていた、『HARIO V60 Drip-Assist』の広告を目にし、「¥1,000ほどだし試してみるか」と注文した。
(不要だけどセットモデルが30% OFFで単品と値段に差がなかった)
普段使っている抽出器具は『V60 ガラスドリッパー 03』のため、もしかして使えないだろうかと考えたが杞憂だった。ちゃんと使えた。
使ってみて思ったのは、Drip-Assistを置いて抽出していると、ドリッパー内にドームができて蒸らしやすい環境ができている。そこに適量が落ち続けるのでお湯と豆が触れる時間が最適化されている。
「あと淹れすぎかなー?」とか考えないで良いのは割とストレスフリー。楽ちん。
出来上がったコーヒーを飲んでみると、普段飲んでいる味とは全く異なった。
どちらかといえばお店で飲む味に近い。雑味が少なく、角もなく、それでいて購入しているコーヒー豆がフルボディのためどっしりとした重さがあり、素直に美味しいと感じた。
日常的にコーヒーを淹れる人にはとてもおすすめできる。
そんなに日常的に淹れない人には、¥1,000の専用品は必要/不必要が難しい。
味もさることながら、コーヒーを淹れるのが手軽になるという2つのメリットが大きいから…。
失うものと得るものの天秤を産み出した
ここからは余談。
コーヒーを淹れる行為をただの作業とするならば、Drip-Assitは間違いなく完璧な商品だ。美味しくて楽ちん。使わないメリットがない。
ところが使わない時に行っていた「20秒蒸らす」「のの字を描くように湯を注ぐ」というのも、コーヒー抽出に向き合う時間であったり、何かを考えながら行うチルい時間だった。
「手軽さと味が両立するから使用する」であるならば、究極的な回答は「それなら豆を上から流し入れてボタンひとつで出てくる高級なコーヒーメーカーを買えば良いのでは?」となりかねない。
それでもボクは利便性より不便さが産み出す無為な行動にこそ価値があると思っている。
最近LLMと会話していると「素晴らしく合理的な考えです」「とても合理的な判断です」みたいなことばかり言われていると、「それだとキミ(LLM)だけいれば良いじゃないか」と思ってしまうくらいには合理性に囚われている。
人間性ないんか。
