いくぜ、東北 2022 GW 5/3 DAY-03

前回の続き

GW初日となる5/3のホテルがなかなか決まらず、昨晩はホテル探しに難儀した。最近はGW帰省するご家庭は両親の実家に宿泊せず、実家最寄りのホテルに宿泊するのが普通らしい。そのためGW初日の5/3はホテルがどこもかしこも満室だった。
いつも移動しながらその日や翌日のホテルを決めているため、5/3のホテルは確保するのにとても難儀した。最悪2019年と同じ宮古市のルートインでいいやーあははー。とか能天気に考えていたが、どこもかしこも満室で、八戸すら1万円以上のホテルしか空いていなかった。
それならばとくに青森に行くつもりは予定になかったし、このまま西に向かい盛岡に宿泊とも考えたが、そっちもそっちでほぼ部屋が埋まっていた。さらに間が悪いことに4月終わりの寒波で、盛岡と太平洋側を隔てる山岳地帯は凍結しているのでは……?と考えると盛岡方面は避けたがいいように感じた。
結局、十和田のビジネスホテル(スマイルホテル)が7,300円とやや懐は痛むが、背に腹は代えられずお願いすることにした。


2日目に宿泊したホテル マルエは朝食付きプランだった。美味しい朝食を食べながらGoogleMapで付近の観光スポットを探す。するといくつか「ここに行ってみたい」と保存していた候補が地図上にアイコンで表示されている。中でも岩泉町にある龍泉洞は、ぜひ行ってみたいと思っていた場所だった。ならば行くしかないと龍泉洞がある岩泉町をこの日は目指すことにした。

金銭的な事情だが、ボクは朝食付きで宿泊差額が500円なら朝食付きを選ぶようにしている。理由としては朝食をコンビニで購入した場合も、なんだかんだで500円付近になる場合が多いため。(サンドイッチとコーヒーでも400円近い)それならば500円払うことでゆっくりと座って朝食を味わうのも良いなと思えるからだ。
例外としては宿泊先付近にスターバックスがある場合。この場合は持参している真空断熱ボトルにコーヒーを入れて持ち歩けるため、朝食と共に美味しいコーヒーも確保できるのでそちらを利用する。そういった理由から個人的にバイクツーリングでは200mlの真空断熱ボトルはいつもかばんの中にいれて携行している。(重さ110g)


形にこだわらなければ良いだけの話

昨晩ホテルを探すのと平行して、道の駅スタンプ帳にしているTraveler’s Noteの画用紙リフィルを販売している店も探した。さすがに岩手県内は盛岡市内しか取り扱い店舗がなかった。何か他で代用できないだろうかとネットを探すとダイソーで似たような物があるという情報を得た。
さっそくGoogleMapで龍泉洞がある岩泉町までのルート上でダイソーを探すと宮子長町店が見つかる。そこでまずはダイソー宮子長町店が入っているマリンコープDORAに向かうことにした。

釜石市から宮子市まではそこまで距離がなかったため、三陸道路を使わずのんびりと下道を走って向かう。
途中、道の駅やまだに立ち寄ると、店先で大きなホタテの串焼きが売られていた。
この旅でしたかったことリストの1つだ。

ホタテの串焼き 500円

リアス式海岸が作り出す切り立った地形は、山の栄養が雨水などによって直接海に流れ込みやすい。それがプランクトンの豊富な栄養となり、それをまた貝が食べて大きくなる。
東北を旅するまでは、そこまで貝が好きではなかったが、数年前に自分用に買って送った三陸の帆立貝のあまりの美味しさに虜になったボクは、これがまた食べたくて三陸を再訪した。

道の駅やまだには、三陸名物となった「瓶ドン」も売っていたが、ご飯がないのでどうにもできない。ボクはウニ1:ごはん9の比率で食べたいんだ。次は絶対キャンプで来よう……。

道の駅をでたあとは、また45号線をゆっくりと北上する。
途中漁港から見える海の景色が気になり停車。
生まれが瀬戸内海近くだったこともあって、東北のこういった島と海の景観がとても落ち着く。

海の向こうに島が見える

宮子市に入ったあとは県道277号線に入りマリンコープDORAへ。
しかしダイソー店内では目当ての商品はさがしたものの見つからなかったため、画用紙とハサミを購入し、自分で作ってしまうことにした。というか、はじめからこうすればよかったというくらい簡単に増設ができてしまった。何故昨日はあれほど悲嘆に暮れていたのだろう。
無いなら作れば良いだけだった。

目下の悩みが解消できたおかげで、気持ちよく国道106号線に乗り龍泉洞を目指した。閉伊川に沿ってしばらくワインディングを楽しむ。
ブラタモリの影響か、山の岩肌を見ると地層を考えることが増えた。
そういう見方をすると山の景色は見どころが増えて飽きない。

青い灯りで照らし出される幻想的な地底湖

走り続けることしばし、龍泉洞までもう少しというところで進行方向左手に道の駅いわいずみが見えてきた。しかしこの時点で昼を若干すぎそうだった時間だったこともあり、ここまできてまさかの入場できず!を警戒して先に龍泉洞に向かうことにした。(2022年7月~2023年3月まではAM08:30~17:00まで)
GW初日ということもあってか、駐車場はとても混雑していた。こういうときにバイクは空いたスペースにちょっと止めて、すっと入退場できるのは利点だと思う。

自動券売機でチケットを購入し、早速中に入る。
子供のころ、よく父親がこの手の鍾乳洞につれていってくれていたのだが、何が面白いのか理解できていなかったボクは、怖いだけで早くでたがるだけだった。
さりとて初老になった今でも、実はこの手のジオパークの楽しさというのはよくわかっていない。ぎりぎりかかさず視聴しているブラタモリのおかげで、想像もできないような長い年月をかけた地球の軌跡を覗き見ることができるのが楽しいというのがわかる程度だ。

龍泉洞の内部は神秘性を感じられるようなライティングがされていて、過去の記憶にあるような白蛍光灯だけの薄暗さの鍾乳洞とは異なった幻想的な雰囲気が美しかった。
鍾乳石が作り出した地蔵岩や、亀岩をみてはふむふむとわかったような顔をしながら先に進むと、第一地底湖に出た。

順路的に避けようもなく第一地底湖(水深34m)の上にかかった橋の上を通るのだが、足元は網の橋。その隙間からは見たこともないような恐ろしいほどの透明度の高い湖が足元に広がり、水の中では青い光の電灯がゆらゆらとゆれている。
シンプルに高所恐怖症が発症して怖い。
「きれいだなーハハハハ」と言いながらなるべく早足で抜けた。

次は第二地底湖(水深35m)のエリア。
第一地底湖とは異なり、柵ごしに見るのだがやはり足が竦む。しかし今までに見たこともない蠱惑的な青い光と水が作り出す光景に、見ていたい気持ちと「いやいや怖いって」という気持ちで柵付近をへっぴり腰で覗き込んでは後ろに下がったりをしていた。
ただの怪しい人だ。
恐怖心を殺しながらスマートフォンを落とさないように必死に何枚も撮影したが、目で見ている美しさと写真が全く一致しない。蠱惑的という言葉がこれ以上似合う景色もないだろう。
湖の底には一体どのくらいのカメラとスマートフォンが落ちてるのだろうか……。

第二地底湖

第二地底湖から少し歩くと第三地底湖。
こちらは水深98m。
ゆらゆらと揺れる青い光ですら照らしきれない底の暗さに腰が完全にひけていた。
まだこれなら水深35mの第二地底湖の方が見ていられる。怖さしかない。
へっぴり腰で写真を何枚か撮影して撤退。

第三地底湖

その後の順路では第一地底湖展望台への道は閉鎖されていたため、出口へ向かう。
トンネルを抜けた先に見える緑と日の光に心が安堵するのを感じた。
地に足がついていないわけではないが、やはり洞窟内は心理的に怖さがあった。

しかし地底湖の景色は美しかったこともあり、今まであまり興味がなかったが、各地の鍾乳洞やジオパークを見るのも良いかもなと少し思った。
駐車場に向かっていると龍泉洞付近のジオパーク案内という大きな看板があったので、進行方向上にあるジオパークを探してみると、熊の鼻展望台があった。せっかくなので次はそこを目指すことにした。
ちなみにこの時、宮古市付近で一番有名な浄土ヶ浜を見忘れていた。青森に入ったころに父親とのLINEで思い出したが後の祭り。どうしようもないので次の機会に取っておくことにした。

龍泉洞を出たときには13時すぎだったため、まずは道の駅いわいずみで昼食を取る。
閉伊川は川魚がよく取れるらしく、採れたての山女魚の塩焼きはとても美味しかった。
その後道の駅スタンプを押印し、455号線を東に進み熊の鼻展望台へ向かった。

むき出しの山肌に打ち付ける波とエメラルドブルーの海

天気が良かったことが過分に影響していると思うが、この日の海もとても美しかった。
リアス式海岸で切り立った山肌の断崖絶壁に、海が打ち付けては白く泡立っている。プランクトンが多いせいなのか関東地方で見慣れた暗い青色ではなく、エメラルドグリーンにも見える海がとても美しい。
この日はなぜか見る景色すべてが美しく感じたこともあって、急ぐ旅ではないし気が済むまで海を眺めることにした。

熊の鼻展望台からの景色
小上がりからの俯瞰(GR撮影)

30分ほど堪能したあと青森に向かいはじめた。
熊の鼻展望台を降りてすぐに、道の駅おもと愛土館があったので立ち寄ってスタンプを押す。
時間が15時をまわっていたこともあって、そろそろ急ごうと三陸沿岸道路を使って北上。
しかし少し進むと道の駅たのはたがあったので立ち寄ってまたスタンプを押す。
自転車でもこのあたりを通ったことを懐かしみながら、よくそんなことしたなと気持ちが老けているのを感じる。今の自分に同じことができるだろうかと考えたが難しい気がした。バイクの快適性の前には勝てない……。

再出発し三陸沿岸道路を北上し続け青森県境も近くなったころ、久慈市の文字がどうしても気になった。このまま本当にウニを食べずに通り過ぎていいのか、と。本当に後悔しないのかと。
結局15分ほど悩んだ末、ウニはさておいても道の駅くじでスタンプくらい押していこうと高速を降りて向かった。

うに丼は数口目までがおいしい

道の駅くじは自転車でも来ていたが、その時は到着が遅かったこともあり食堂はしまっていた。しかしこの日はまだ営業しており表の看板には「本日生うにあります」の文字が。
後ろ髪をひかれながら、案内所で道の駅スタンプを押印し、店内を物色。前回も思ったがとくに目を引くものもなくまた食堂前に戻る。
入口の立て看板にあるメニューをめくると、生うに丼3,000円の文字。

今回の旅で思ったのは、自転車の旅と違ってバイクの旅はガソリン代がかかる分、お金が結構目に見えて減っていくなと感じたことだった。
宿泊代・食事代・ガソリン代もろもろで何だかんだで1日1万円近くは減っていっていた。
幸い三陸側の高速代が無料だから良いものの、それでも結構お金がかかるなーと感じていた。

そこにうに丼3,000円。
前回の東北自転車旅行のときに食べて「採れたてだから格別美味しいわけではないのか……」と思ったこともあり、多少腰が重かったが、でもせっかくだしという貧乏性がでてしまい注文することに。

ただやはりうにだけの丼は美味しく食べれるのは数口までだ。
幸せと美味しいものは適量が良い。美味しいからと一杯食べようとしてもロクなことがない。少し足りないくらいが丁度いい。どうして何度も失敗し学んでも繰り返してしまうのだろうか……。

暗く気温の下がった青森を走り抜ける

自転車のときも青森県の県境を越えたときは暗かったが、今度は真っ暗になった道を走り抜ける。しかも八戸ではなく十和田まで行かないといけないこともあって、気温がかなり下がっているのを肌で感じながら走った。
八戸から十和田までの道は、他の車両通行も少い暗い道をナビ通りに進んだ。
初めての道が暗い道だと景色も何もなく悲しい。

八戸から30kmほどの道だったため1時間もしない間に、この日の宿泊地スマイルホテル 十和田に到着。ただホテルの駐車場はとても混雑していた。予約したときに残り数部屋だったため判断を遅くしていたら危ないところだった…。

ホテルにチェックイン後、近くのコンビニへ行き水とお茶だけを買って部屋に戻る。
部屋で翌日の宿泊先を眺めた結果、盛岡にまずは一泊しようと考えホテルブライトイン盛岡に予約をした。

当初は十和田に行くつもりはなかったが、せっかく来たのだしバイク雑誌でよく見る奥入瀬渓谷を気持ちよく走りたいと思い、翌日のルートを調べてから就寝した。

いくぜ、東北 2022 GW DAY-04,05

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