今年(2025年)のGWはどこへ行こうかと直前までかなり悩んだ。
大阪万博に行きたいという気持ちはあれど、国内のホテル価格高騰により大阪で泊まるなら1泊で2万近いのでは……と感じていたためだ。
万博会場に行ける範囲でキャンプするにしても、荷物もバイクも置き去りというのは不用心のため、どうしたものかなーと悩みながらGoogleMapを眺めていた。
万博会場の夢洲は、中央線の終点駅だった大阪港・コスモスクエアより先に新しくできた駅だ。中央線というくらいだから反対側は奈良に近いのかな?と目で追っていくと、東大阪市の長田駅で近鉄 けいなん線とつながっていた。
それなら奈良も含めて安いホテルと交通費で良い塩梅のところがあれば……とGoogleMapのホテルで探していると4/30・5/1の2泊リッチモンドホテルが1泊 ¥7,455 と表示されている。リッチモンドホテルは全国展開されていて東横INNと同じく少しお高めホテルのイメージがある。そんなホテルへ安く泊まれるのであれば悪くないように思えた。
問題としては GoogleMap で表示されるホテル予約・価格表示のため、価格リストで表示される楽天やじゃらんといった他サイトとは価格差が ¥2,500 ほどある点が気になった。周辺ホテルもだいたいその価格のためいくらなんでもおかしいのでは?と訝しむ。
くわえてその最安値を提示しているところが Agoda という見たこともない予約サイトだったため、「いや流石に怪しいのでは……?」と色々調べることにした。
色々と調べた結果、一応実在していて予約・利用実績もあるようだったことと、そこまでサイトサービスに批判的な内容も見つからなかったこと、直前の29日までは予約キャンセル保証と書かれていたのもあり、最悪Paypal経由なら返金もそこまで揉めないだろうと判断し申し込んだ。残り1部屋だったためかなりギリギリだった。(ただ返金処理が遅いというレビューがあったのだけ気になった)
ちなみに最近、件のAgodaがニュースサイトで問題となり行政より改善指導されていた。
(宿泊予約サイトAgoda「部屋取れていない」など相談相次ぐ / NHK)
予約後はちゃんとホテルに予約ができているかを確認したほうが良さそう。
申し込んだ後に、本当に予約されたのだろうかとホテルに電話をすると問題なく予約されていた。ついでにと厚かましくも「4/30宿泊するので、朝荷物とバイクを預けることは可能でしょうか?」と訪ねたところ、「朝9時からであればお預かり可能です。お預かり料としてチェックイン可能な12時までの4時間分(1時間 ¥100)がかかります」とのことだった。
バイクと荷物の安全が保証される安心の価格としても破格だ。二の句もなくお願いした。
その後は万博チケットを購入。両日ともにゲートが開く9時は混雑となっていたけれど、10時は予約可能だったので申し込み。平日チケットのため ¥6,000。事前パプリオン予約はめぼしいところがだいたい埋まっていた中で、初日UAE、2日目オランダが可能だったので申し込む。(イタリアは当然のごとく予約できなかったし、国内パブリオンも当然のように埋まっていた)
あとは4/29の朝9時にどうやってホテルへたどり着くか、という問題だけだった。
目次
- DAY #01 準備・移動
- DAY #02 大阪万博-01
- DAY #03 大阪万博-02
- DAY #04 奈良〜和歌山(飛鳥 亀石・十津川 玉置神社)
- DAY #05 和歌山〜三重(伊勢志摩国立公園)
- あとがき
VLOG
DAY #01 4/29 準備・移動
本当は4/28に大阪近くまで移動しようかと悩んだ。
「宿泊費を考えると……しかし野営するには場所が……」金銭的な理由による悩みのため、考え悩むことが無駄だ。「それならばどこかSAで仮眠できないかなー」とだめもとで調べる。するとタイムリーに今年4月から滋賀県多賀SAに併設された「レストイン多賀」に仮眠専用のマットレスごろ寝スペースが設置されていた。(2025.04.07 「レストイン多賀」寝ころびマットレススペースを新設休息ニーズに応える追加施策)
なんと4時間 ¥2,000、6時間でも ¥2,500で利用可能と書いてあった。「これだー!神ぃー!」と悩みが一撃で解決され即決。
多賀SAからは2時間ほどで東大阪出口に行けると考え、逆算して20時ごろに出発することにした。
昨年夏と同じく今回もGIVI 40L 防水バッグに野営できる装備を最小限詰め込んで向かう。あてどなく行きたいところまで走り、休みたいと感じる場所で休む。ボクはそんなどこまでも自由な旅が好きだ。
前回の反省を活かし、テント・椅子・テーブル・オイルランプ・ガスバーナー・コーヒーセットだけを入れる。調理セットは持っていっても使うことが少なかったからだ。
そして今回の旅では荷物に余裕ができたおかげでお土産も入れやすかったので間違いではなかった。ただ調理器具があれば地産食材も調理できたのになーと頭をよぎることはあった。18cmほどの軽いフライパンがあると捗る気がするけれど、あくまで寝るだけと考えると最低限カップラーメンが食べれれば良いのでお湯が湧けば良いとも思える。
今回も例にもれずテント泊したときはカップラーメンだったしね…。
あとは着替えを用意。
大阪万博の会場内はかなり歩き回ることを考え、軽量でかさばらず、夜はキャンプ泊のときは寝間着にできるような服が好ましい。
とりあえず春秋に愛用している「HELLY HANSEN Raine Light Jacket」を上着として、中に着る衣類をユニクロで新調することにした。余談だがこのジャケットは軽量かつ、着ないときはスタッフサックにコンパクトにまとまれるため、とても気に入っている。色もオーシャングレーはボクのような高齢者が着ても違和感がなく落ち着いているのでとてもお気に入り。
[ヘリーハンセン] アウトドアジャケット Raine Light Jacket RAINE LIGHT JACKET メンズ HH12511 サックス…
ユニクロで目についた「ウルトラストレッチアクティブジョガーパンツ」が軽量かつDRY FIT素材だったので万博・寝間着用のパンツとして購入。インナーシャツは適当に目についたエアリズム素材の長袖を3着購入。あとは肌着としてのエアリズム上も購入。
旅先で着る服は新しい下ろしたてものであれば最上だと思っている。
準備は終わったので夜まで布団の上で休む。
しかし旅の前特有の高揚感で眠くならない。無理やり目を閉じ体だけを休めた。
出発 PM20:00
全くもって急ぐ旅でもないのだけど、もし早く多賀につくのであれば仮眠時間を長くすれば良いやと考え出発することにした。
夜の新東名という面白さも何もないただの移動の始まりだ。
翌日は平日のため首都高からガラガラだった。いつもは海老名SAまで混んでいるのに……
まるでリッジレーサーの作中で描かれたような景色を走る。夜の高速道路はこれが好きだ。だから個人的に「面白さも何も無い移動」と言ったものの、ボクはこの移動が嫌いではない。変わらない夜の景色ではあるが、月明かりでわずかに見える山の起伏、音が反響するトンネル、暗闇にそこだけ照らし出されたように現れる案内板。これらを眺めながらバイクや車を走らせる時間は、ボクの中ではチルタイムのように感じる。
いつものごとく、足利、静岡SA(給油)、岡崎と休憩で立ち寄る。
出るときに少し予測はしていて、気温が上がってきているとはいえ新東名は絶対寒くて凍えるのでは?と荷物覚悟で冬ジャケットに加え、ねんのためとウルトラライトダウンを持ってきていて大正解だった。標高の高さと日中の暖かさの放射冷却による冷えで震えながら走ることになった。
また立ち寄ったSAは大きなものだったため施設内に入ることができ、コンビニで休憩できたのも地味にありがたかった。ただなぜかカップスープの取り扱いがなく味噌汁しか売られていなかったのが不思議だ。八丁味噌の圧政か?気にしたことがなかったけれど、セブンイレブンで販売されている味噌汁って地方で味が違うのだろうか?
岡崎のあとは、豊田東で東名に乗り換え名古屋市北側を通りながら多賀SAを目指していると給油ランプが点灯した。いつもであれば新東名でそのまま刈谷か土山で給油していたのだけれど、東名を走ったことがなかったため給油SAに思い当たるものがない。ナビのTOURING SUPPORTERSのライディングモードで表示されてるいるSAで中々ガソリンスタンドアイコンがついたものが表示されず、焦りを覚えたころ養老SAにガソリンスタンドがあるようだった。まよわず立ち寄り給油。こんな深夜にガス切れで高速立ち往生は即ゲームオーバーすぎてちょっと焦った。
養老SAからもうすぐ多賀SAだったので、もしかしたら給油せずにたどり着けた可能性はあるけれど、転ばぬ先のなんとやらだ。ガソリンが満タンという事実だけで心が平穏になるし、平穏は安全に繋がる。
DAY #02 4/30 移動つづき〜大阪万博 1日目
多賀SA到着 03:15
思った以上に時間がかかったかなーという印象はあったものの無事到着できた。
問題は予約ができないため空いているのだろうかという不安だったけれど、受付で尋ねると4つのマットがあり、1つは埋まっているけれどまだ空きがあるとのことだった。
勝手なイメージとしては、温泉施設の休憩場みたいな畳の大部屋に座布団があって寝るみたいなものを想像していたけれど、実際は小さなスペースに無理やりパーテーションで4つ厚めのマットが設置されていた。入口で渡されたシーツを敷いて寝てくださいというものだった。
一応お風呂も料金内に含まれているため入浴できるけれど、ボクは出発前に入浴していたのでそのまま睡眠。これで¥2,000はありがたい……各地のSAで増えて欲しい。
3時間ちょっとの睡眠だったけれど思った以上に披露が回復した。
朝食を取った後出発しホテルを目指した。
長田リッチモンドホテル 09:00
ちょうど予定通りに到着した。
伝えてあるとおりバイクの置き場を尋ねると、裏手の軒下に従業員駐輪スペースがあるのでそちらで、とのことだったのでそちらに駐輪。正直屋根がある場所に停めれるというだけでかなりホテルの印象が上がる。良きー。
ささっと着替え、フロントに荷物を預ける。
「こちらの荷物はお部屋に運んでよろしいですか?」の一言は正直かなり意外な申し出だった。ただでさえ1泊 ¥7,000という安い料金で、そんなサービスを受けれるのか……とホスピタリティの高さに感じ入るものがあった。また大阪に遊びに来るときは候補にしようと思った。
長田駅で切符を買うときに、大阪に住んでいた経験からメトロ1日パスがお得なことを知っていた。これで万博会場の夢洲まで行けるのだろうかと、駅員に尋ねると追加料金 ¥330が必要だった。それだと長田〜夢洲が¥480なのでお得にならない。けちんぼー。
始発駅のため座り夢洲に向かっていると、どんどんと人が増えていく。
「おかしい。マスコミ・アンチが万博ネガキャンフル中指アンチ大躍進!で万博爆死のはずでは……?」と思っていたが、夢洲までみんな降りなかった。マスコミ・アンチ頑張れよ!気合が足りてねぇーぞ!と思いつつゲートに向かう。
ボクは万博に突然行こうと思ったのはこの動画がきっかけだ。
正直この動画を見るまで万博は意識の外にあったし、全くいくつもりもなかった。
ところがこの動画を見たときに、「これは絶対に見に行こう」と思った。
キレイに建築とデザインとアートが融合している空間。そして日本にいながら世界のデザインに触れることができ、この先の人生できっと知ることもできない国のことが知れるかもしれない。そう思ったら居ても立っても居られなくなり今回の旅に出た。
駅からの階段を登りゲートに向かうとき、映像でみた光景がそのまま広がっていた。
これだ。これが見たかったんだ。
パブリックデザインなのに随所に遊び心があり楽しい。会場内には一つとして同じものがない。ミャクミャクの旗や地面に描かれた案内どこを見ても発見がある。一体どのくらいの労力をかけて作ったのだろうと、その熱量と作業量に震える。
10時入場予約していたので10分ほどでスルッと入場。事前に他人のレポートnoteで会場内地図と入場チケットをプリントアウトしていくと良いとあったので、忘れずに用意してきた。
A4プリントアウト4つ折りでQRコードのパスケースに入れれるとあったけど、¥1,100だったので手を引っ込めた。あと別にこれは要らなかった。大げさな表記だ。QRコードは予約パブリオンと入場ゲート時にいるだけだから1日の利用は多くて3回。そこに¥1,100払って首からぶら下げるメリットはない。大げさ。カバンにいれておけば良い。ただ印刷だけはしておくと良いかも。(会場の混雑状況でネットが使えずQR表示ができない可能性は0ではない。スクショでも良いと思うけどスマホの電池と相談して)
東ゲート入口の近くのお迎えミャクミャク様は大人気。会場に入って最初に驚いたのは、ミャクミャク様のグッズが大人気だった。多くの人がカバンにつけたり、手に持っていたりしていて楽しそうにしていた。
正直ノープランで訪れているので、初日は適当に見て回ろうとウロウロした。
その結果、国産パブリオンは事前予約無しでは並ぶことすらできなかったので、草々に興味を失った。そこまで見たいわけでもないしなーの気持ち。
初日はUAEパブリオンが予約ができていたので、まずはそちらに向かう。
UAE
UAEで連想するのはドバイくらいで、なんとなく「すごいお金持ちの国」のイメージがあったけれど、パブリオン内は未来に対してUAE国内事業者が取り組んでいることの紹介、UAEの地域で砂が違うため文化が違うといった説明を受けることができた。
結論でいうとボクはよくわからなかった。浅い知識だと浅い理解しかできない。
UAEパブリオンのテーマは砂と樹木だったのだろうか?デザインはそんな印象を受けた。


カタール
UAEのお隣がカタール。カタールってどんな国?っていわれてもサウジアラビア近くにあるくらいしか知らない。あとサッカーでドーハの悲劇があったのしか覚えてない。
そんな浅い知識のまま少し並んでみた。
カタールは海がテーマのパブリオン。
並んでいるときも海に対する畏敬のような言葉がガラスに書かれていたのが印象的だ。
内部は高い天井から吊り下げられた青く長いカーテンが揺らめき海を表現していた。
パブリオンの入口までは白い砂浜を、内部は海の中を表現していた。
内部を時計まわりにぐるっと回るとカタールの名所・歴史の案内などで知識を得れた。
そして中央では短い映像が流れていて、カタールの1年の暮らしを見ることができた。
現代でもカタールは夏に男たちが総出で海に出かけ素潜りし漁を行う。女はその間家と家族を守りながら男の無事を祈り続ける、過酷な生活だ。
国が異なるだけで生活と文化レベルがこんなに違うのかと感じ入るものがある。
カタールで暮らす人は海に感謝をし、恵みで生活をしている。海と共にあるからこそのパブリオンデザイン。素晴らしいデザインだと思った。
ポルトガル
カタールのあとUAE横のカナダは1時間待ちということで、その隣のポルトガルに並ぶ。江戸時代の歴史授業で習ったことしか覚えていない。
ポルトガルのパブリオンは、まさしくその江戸時代の日本に伝来したとき、様々な言葉を伝えていたというものだった。元の言葉と、伝わって変わった今の言葉の比較が印象に残った。前半はそういった内容と海洋に関する研究の紹介だった。
ただ後半にある海を大切にしましょうというSDGs映像が好きではなかった。
海を大切にしない国で行われる万博でやるべき。
海を大切にしてる海洋国家の日本だからこそ、万博会場の1/5が海を入れそこに鳥居のようなものを作ってる。津波被害を越え、海に対する敬意と畏怖を持って接してる国に何いうてくれますのんである。日本では差別がないが、海外では白人至上主義による根強い他色人種への無自覚な見下げが横行しているのを感じる。
大屋根リングに上り、会場内をブラブラ
その後、大屋根リングに登る。高くて無事高所恐怖症発動。建築技術がすごいし圧巻なのだけど、高いのだめなのぉ……という雑魚さでスゴスゴとすぐに降りた。
しかし直径2kmだから反対側が霞んで見える。どんだけ広いねん。
お昼どうしようかなーっと万博リングからの下りエスカレーターに乗りながら会場を見るとファミリーマートが目に入った。コンビニあるのがすごい助かる。おまけに値段も会場の外と変わらない。あったけぇ……。会場内での飲食代が高いとSNSで話題だったけれど、ちゃんとお金がない人への救済処置用意されていて助かる。(ワレながらオワッテルとは思う)
それにしても会場が広すぎて目移りがすごい。デザインも各国が特色を出してこだわっていて見ていて本当に飽きない。中央は時間で霧が噴出し、子どもと家族が大賑わいしていた。
会場内は誰もが笑顔で本当に楽しい。




コモンズD
スルッと入れそうだったコモンズDにも入った。(今だと並ぶらしい)
全く知識がなかったのだけれど、コモンズA〜Dはパプリオン建築として出展できなかった国々がスペース出展で参加という集合パブリオン。個人的にボクが万博で見たかったものがこれだった。
どうあがいても残りの人生で世界各国すべて見て回ることはできない。
そこに万博会場に出張し日本に着てくれている。しかもわざわざ自国のおすすめ見どころをまとめ日本語で紹介、それを日本語堪能なスタッフがフレンドリーに案内してくれる。こんなに素敵なものはないと知識欲全開ですべてを見て回った。
個人的にはコモンズDではモンゴルが一番心に残った。
モンゴルといえば元寇。モンゴルが世界を統一しようと日本にも襲来のイメージだったけれど、モンゴルが世界を統一しようとしたのは、世界から争いを無くそうとしたからだと書かれていた。「あかん。世界の人々が争うのを止めることができない。せや!ほなら統一してしまえば」みたいな理屈だけれど、不思議とこの展示を見たとき、本当にそんな思惑だったかもしれないなーと納得してしまい印象に残った。




ルーマニア
コモンズD館を出ると目の前のルーマニアが空いていたので並ぶ。
中は階段があり各々座ったあと、映像が流れ、弦楽器の生演奏を楽しんだ。
演奏後は小さな展示だけ見て出る。
正直、何の国なんだろうって1mmも理解できないままだった。
音楽の国なのかなー……という印象だけ残った。
イギリス
入口で乱暴に聞いてる人に「並べないです。帰ってください」と案内していたので、ここも並べないのかなーと、尋ねると「あちらから並べます」と案内された。
「これが英国仕草!」と感動しながら並ぶ。礼を欠いた人間に礼は不要。
イギリスのパブリオンは内部が凝った作りで順路を巡ることで国と未来への取り組みが紹介がされていた。
大阪万博2025のテーマは「命輝く未来社会のデザイン」ということもあって、この日見た中では一番そのテーマに沿ったパブリオンだったので見応えがあった。
先ほどのコモンズ館では多くの国々が「どうか私達を知ってください」という内容だったことに対して、イギリスは「私達は未来に対してこういった活動をしています」という内容だった。その差が面白くもあり、大国と小国の差のようにも感じれた。
展示の出口では、イギリスを代表するスコッチ「ジョニーウォーカー」Barがあったので、せっかくなので立ち寄る。メニューを眺めると007のセリフ「ステアせずシェイクで」で有名なヴェスパー・マティーニがあったので注文。美味しいかどうかで言うと味の個性が強いなーという感想。思い出にはなった。
ガンダムや西出口を散策
イギリス館を出たあと、マティーニで酔と睡魔に襲われたためウォータプラザへ。
疲れたお父さんたちが寝ていたので、ボクも休もうと横になったら一瞬で寝てしまった。はっっと気づいたら、いつの間にか夕暮れになっていたので慌てて散策を再開。
地図を広げ現在地を確認し反対側の入口へ行ってみようと西ゲートへ向かう。
実は事前にミャクミャク様のぽてっとした太ったぬいぐるみが可愛いと紹介された投稿をSNSで見かけ、これはぜひ購入しようと思っていた。それが西口のショップにあるとのことだったので足を運んでみたが、「大人気すぎて売り切れました……」とSNSパワーを思い知った。しょんぼり。
その後ガンダムを横目にして、まだ行ってなかったもう半分のエリアにあるパプリオンを外から眺めるべく歩き回る。明日まわるパプリオンの目星をつけていると、一部のパブリオンは並ぶことなく入場できます!どうぞお入りください!と呼び込みが始まっていた。
EU・バルト三国・アルジェリア・カンボジア・チリ・エジプト
案内されるままにホイホイと中に入る。
個人的に一番印象に残ったのはバルト三国。
パブリオンのデザインもよく、また日本と同じく四季がある国ということを知った。
生活している人も穏やかそうで、もしどこか移住しないといけないとなったらバルト三国が良いなーと思うくらいには興味がわいた。


ウロウロしていると閉館時間となったので退出。
思った以上に時間が流れるのが早く、知識欲が刺激され続けた。
本当に来てよかったなーと満足しながら帰りの電車に乗り込む。
ただ本当は大阪グルメを堪能しようと思っていたれど、初日は移動の疲れも全身で感じていたため、明日に備えてまっすぐホテルへ帰ることにした。
ホテル最寄りの長田駅に到着後、食事を近場でと探そうとしたけれど、もうつかれたから……とCoCo壱番屋に吸い込まれた。大阪に来てまでCoCo壱番屋はさすがに?と思うところはあるもののコンビニで終わらなかっただけマシだと思いたい。
食後はすぐにホテルへ戻り就寝。
リッチモンドホテルの客室は快適な広さで、ベッドも快適だった。
DAY #03 5/1 移動〜大阪万博 2日目
翌日も快晴だった。
ただホテルから出発しないといけない次の日が雨予報になっていたのが、やや陰鬱だった。当初は5/1夜に雨が振り、過ぎ去る予定だったけれど、どうも午前中を広範囲に雨雲がかかるようだ。明日のはことは明日考えようと、切り替え会場へ向かう。
ルクセンブルク
昨日とは反対方向から回ることにしたところ、ルクセンブルク館が「現在なら20分で入れます!」という呼び込みの声につられ入ることにした。
列を待っている間に外壁にプリントされたQRコードを読み取ると、ARで史跡を見ることができた。これが結構個人的には良かった。並んで待ってくれている訪問者のことを考えたデザインだなーと思う。
パブリオン内の作りもデザインセンスを感じて良かったのだけれど、とはいえどルクセンブルクがどういう国です。というのはわかりづらかった。もしかしたら「ご存知かと思いますので」と省略しているのかもしれない。
ドイツ
個人的にドイツのパブリオンは万博で一番楽しかった。
入口で渡される小さな「サーキュラー」というハニワのようなキャラクターオブジェクトを会場内に設置された鉄板に接触させることで、サーキュラー内蔵スピーカーで説明が聞くことができる。
ドイツは「わ!(輪・サークル)」がデザインコンセプトで循環型の未来がテーマとなっている。パブリオン建築も再利用可能な木材建築で作られていたり、つながりというコンセプトでサーキュレータを接触させて説明というものだった。
なんというかデザイン・テーマが念入りに設計・デザインされていて気持ちよかった。
目当てのもっちりミャクミャク様
ドイツ館を出ると売店が見えたので立ち寄る。すると運良く1個だけ探していた「もっちりミャクミャク様」を見つけることができたので悩むことなく購入。かわいい。
手触りもよく結局そのあと1日手にもって見て回った。

モナコ・トルコ
モナコといえばモナコ・サーキット!と思って列に並んだものの、そこまでサーキットについては言及されず、どちらかという地域特産の紹介が多かった。
トルコは大きなパブリオンだったけれど、展示物がよくわからない感じだった。異文化は難しい。
予約していたオランダ
2日目は偶然予約が取れていたオランダに時間通りに向かう。
オランダはかなり人気のパブリオンのようで、予約無しでは並ぶこともできないようだった。
ドイツと同じく入口で渡される球体のランプを、壁に埋め込まれた接点と接触させながら進む方式ではあるけれど、ただ色が変わるだけで仕掛けはない。
川の治水の歴史紹介が主だった内容だった。
ミッフィーがところどころ展示されていたのが見どころといえば見どころ。
とはいえど個人的には無理に並んでまで……と感じた。
イタリアは無理だったのでタイへ
オランダあとに、もう閉場まで並んでみるかとイタリア館に向かうと、「今から並んでも閉場で入館できないので並べません」と案内されていた。終わったー。
仕方なく入場時に予約できたタイパブリオンへそのまま向かう。
タイパブリオンも映像が主体。
正直映像主体系のパブリオンはよくわからないものが多い。
ただタイの場合は、映像後の展示室があったのでそちらを見て回ることができた。
カレーが美味しそうだった…。




スペイン
タイの真横にあるスペインはあまり期待せずに入ったものの、大きく裏切られた。
ドイツに次ぐほどの情報量で「スペインの国はこういうところです」「未来に向けてこういった活動をしています」と紹介されていた。
スペインといえばフラメンコや情熱の国という印象があったけれど、海洋国家らしく、海洋資源の歴史、日本との関わりが細かく読み物展示されていた。





オーストラリア
スペインを退出したあと、時間的にはもうどこも入場自由かと思っていたけれど、となりのサウジアラビアは予約なしでは入場できないようだった。
そのままお隣のオーストラリアへ。
オーストラリアは野外ステージでライブが行われていたのでしばし鑑賞。聞き入ったあとパブリオン内部へ入る。内部はオーストラリアの木々を運んで作ったらしく、森をイメージした内部のデザインが美しかった。
ただ展示の内容がその森部分で大半が終わっていたため、すぐに退場することに。主張内容がよくわからなかった……。


インドネシア
閉館が始まるパブリオンも出始めるなか、最後まで呼び込みをしていたインドネシアに入る。
個人的に一番楽しかった。
内部の作り込みがすごく、インドネシアという国の見どころを丸ごと圧縮したようなパブリオンだった。かなり満足度高い。
アサシンクリードが好きだと興奮しそうな、ククリなどの刀剣類を飾ってあったり、オーストラリア同様にインドネシアの森を再現したエリアもあったりで見どころ満載。とても堪能した。







その他も色々堪能し閉館時刻が近づいてきたので、最後に大屋根リングを登り東出口に向かった。夜のパブリオンはどれも美しく、「あぁ、終わってしまう」という寂しさと「本当に楽しかった。来てよかったな」という充足感で心がいっぱいだった。2日間にも関わらず濃密すぎるインプットの嵐で頭がパンクしそうだ。ホテルの都合で2日間にしたけれど、結果的によかったと思う。
さて、このまま長田まで帰ってしまうと、大阪のグルメを堪能できない気がした。しかし万博会場を時間ギリギリの最終まで粘ってしまったため、そこから梅田に向かってもやっているお店は少なそうだった。何より歩き回った疲労も強かった。
そこで中央線沿いでどこか美味しいたこ焼きを食べれないかとGoogleMapで調べると、本町の「たこ焼き酒場たこ太 船場店」がレビューコメントで「一人客も多く楽しめました」とあり、他のコメントも好印象のものが並んでいた。営業時間も深夜0時までだったのもちょうど良かったので向かうことにした。
店に到着したのは22時ごろだったけれど、店内はまだまだ賑わっているようだった。
窓際のカウンターに案内され卓上のメニューを開くと、生ビールは¥390。しかし飲み放題は60分 ¥1,068だった。これは3杯飲むなら単品注文より安価だ!と気付き、さっそく飲み放題とソースたこ焼き5個 ¥490を2つ注文。
生ビールを飲みながら焼き上がりを待つことしばし、提供されたたこ焼きは「そうそうこの味が食べたかったんだよなー」とボクが期待した味を裏切らない美味しさだった。関東のたこ焼きはカリカリが多いので、こういうトロフワっとした関西のたこ焼きがとても恋しかった。
アツアツのたこ焼きで口と喉を焼きながら冷たいビールを流し込む。このジャンクな食事がたまらない。
なんとも心もお腹も満足し、ホテルに戻る。
ベッドに潜り込み、ふと翌日の天気を見ると祈りは虚しく、午前中が雨予報で悲しくなった。
奇跡的に止まないだろうかとと期待し眠りについた。
DAY #04 5/2 奈良 亀石〜玉置神社〜三重 小船キャンプ場
起きてカーテンを開けると、どうしようもなく雨が降っていた。
雨雲レーダーを見ると、時間経過するにつれ雨量が強い赤いエリアが迫っていたので、手早く準備をして出発する。
雨の中を走り、大阪から奈良に入ってすぐにある「道の駅 ふたかみパーク當麻」に立ち寄ったときに、かっぱを脱ぐと妙に衣類が濡れていた。そこで初めて持ってきていたカッパがバイク用のものではなく、ハイキング用のものだったことに気づいた。ほんまアホ。おまけに扱いが悪すぎたのためか、結構な頻度でつけ外して掃除していたPINLOCKが致命的に破損してしまい、致命的に前が見えないほどに曇るようになった。これは駄目だーと付近のバイク用品店を探すと運良く奈良2りんかんが立ち寄れる範囲にあった。これは本当に運が良かった。
取り付け直してもらった新しいPINLOCKで視界が一気に快適になった。
その後は飛鳥町にある亀石に向かう。
今回はしっかりと動画撮影。特に有名な史跡ではないので田畑近くの道沿いにポツンとあった。見ようによっては亀の頭にも見えるし、蛙にも見える不思議な巨石だ。(PSのゲーム 双界儀の聖地巡礼)

今回のツーリングルートはChatGPTに投げ込んでみた。すると思いもよらぬ場所の候補がいくつか提案され、その中に「玉置神社」があった。色々と調べていくと「神様に呼ばれた人でなければたどり着けない」という神社紹介にも惹かれたので目指すことにした。
のんびりと道の看板案内を頼りに南下。「道の駅 十津川郷」に立ち寄ったとき16時が近かったこともあって、玉置神社は翌日にしようかと少し悩んだ。しかし宿泊の候補地としていた安価な町営キャンプ場は30km離れてた先で三重県に入っていることもあり、このまま向かうことにした。一応キャンプ場までの道で何も食材を買えない可能性を考え、カップヌードルカレーと焼き芋、水2Lを購入し出立。結果的にこの買物がファインプレーだった。
玉置神社
県道168号線から猿飼橋を渡り玉置神社までの道を走る。狭く曲がりくねった道をなるべく急いで走ることしばし、第一駐車場に到着。
ただ駐車場から本社までは徒歩で距離があるらしく、やや日暮れに差し掛かった参道を急いだ。




本院に到着したときは残念ながら社務所が閉まっていた。少しそれが残念だった。霊験あらたかなお守りは効果がありそうだったように思えた。
本院脇には長い樹齢を持つ夫婦杉と御神木が並び立っている。反対側は伊弉諾神・伊弉冉神の拝殿があったのでそちらも参拝。その先は山頂までの道が続いていたけれど、できれば日が明るいうちにテント設営したかったので下山。
駐車場に戻ってきたとき、駐車場でテントを設営している人がいた。それを見た時に「あ、頭よ……!」とシンプルに感動した。トイレと水場もあるし、野宿するのにこんな最適解があったなんてと気づくことができた。ただ標高が高いから夜と朝は冷えそうだ。
玉置神社から再び県道168号線に戻る。十津川村を通り抜けるときに道沿いにいくつか民宿の温泉宿が点在していた。素泊まりが ¥4,000と魅力的な価格。昨晩、宿泊地候補を見つけるまでいくつかキャンプ地を探したけれど1泊の利用料が¥4,000〜6,000の場所が多かった。純粋なキャンプが目的であればその価格も納得できるものの、ただ安く野宿したいだけなのにという気持ちから割高に感じてしまっていた。
もうそれならばテント設営の手間を省略できる素泊まり¥4,000の民宿に泊まったほうが温泉に入れる上に布団で快眠できる。とても魅力的な選択肢だ。問題としてはそんないきなり訪問して素泊まり利用させてくださいができるのかだけど。
小舟キャンプ場
利用料はお気持ちとのことだけど、¥500を寄付してくれるとキャンプ場整備に使う道具類を買う資金に当てるので良ければ……と書かれた箱がトイレにおいてあった。(高齢者しかいない村なので人でもおらず、便利にする道具を買いたいとのことだった)
自動販売機も見当たらなかったので両替もできなかったこともあって結局¥1,000を入れた。
ありがとうの気持ち。
この日のキャンプ予定地は小舟キャンプ場。Google mapで町営で無料とあったため、訪れて野宿できそうなら利用しようと考えた。
ちょうど熊野川を挟んでキャンプ場らしい場所が見え、いくつかテントが見えたもののまだ空きがあるように見えた。これは助かるーと向かおうとするもかなり遠回りを強いられる。結局かなり南下した場所に橋があり、そこからまた北上してたどり着くことができた。どんだけ……と思いGoogleMapで距離を計測すると川の反対側から9kmほどあった。遠すぎる…。
一度到着したあと買い出しに行こうかとも思ったが、道中に営業しているお店はなく、22km 先の新宮市まで行く必要があった。往復44kmがとてつもなく面倒…。こんなこともあろうかとカップラーメンと焼き芋を買っておいて本当に良かった。
とくにすることもないのでこの日は20時に就寝。
DAY #05 5/3 和歌山県新宮〜志摩半島〜伊勢〜帰路
今回、万博に行ったあとはせっかくなので和歌山から志摩半島までのリアス式海岸の道を楽しみたいと思っていた。ボクはリアス式海岸の道から見える海の景色がとても好きだからだ。
朝6時に目が覚めたので手早く片付け出発。
新宮に出たあとは、海沿いの国道42号線を北上する。ここは前に走ったことがあるけれど、時間にも余裕があるので気になった場所があれば寄り道しようと思っていた。すると七里御浜からトンネルを抜けたすぐ右手に「鬼ヶ城」と看板が目に入る。「桃太郎の国から来たボクとしては見逃せない」と思い向かってみることにした。
鬼ヶ城
鬼ヶ城センターに駐輪して、せっかくだしと見に行こうと思ったのが運の尽きだった。高所恐怖症の方は千畳敷より先に行かないほうが良い。ボクはのんきに途中まで「へーすごいー」と自然が作り出す景観にただ驚いていたものの、突如として道が高所恐怖症お断りな崖道になって青ざめた。それでも今更引き返すのも怖いとおっかなびっくりと前へと進み、「この先は弁天神社がありますが、引き返す方が近道です」という案内を無視して、「遠回りでも良いので崖道は嫌です…」と進んだ。
しかも引き換えしてくる人とすれ違ったりするので心底怖い。恐怖体験すぎた。
すごい気になったのは降りる足場なんて見当たらないのに、崖道の下にある岩場で釣りをしている人たちが何人もいた。一体どうやってそこへ行ったのだろう……あとどうやってそこから戻るのだろうと不思議だった。
結局ぐるっと30分かけて周りきり、遠回りして45分かけて鬼ヶ城センターに戻った。




やれやれひどい目にあったと、北上を再開。
「道の駅 紀伊長島マンボウ」に立ち寄ったあとはついに国道260号線で志摩半島に入る。
新緑で彩られた山々と青い海のコントラストが眩しい。
山間の道を川沿いに走るのも良いけれど、やはりボクは海沿いの道を走るほうが好きだ。


志摩半島にはいくつかキャンプ地があるものの、GW初日とあってどこも予約でいっぱいだった。そのため走りながら野宿できそうな場所があれば、夕方に戻ってくるのもありかなーと探していたものの良さそうな場所は見当たらなかった。1日くらいならお咎めはなさそうな気がするという塩梅なら道沿いにある海水浴場向けの駐車場は最終手段として保険候補になりそうだった。
そんなことを考えながら走っていると志摩市街地に到着。目的地もなく走っていたため、それならば終端にある灯台にでも行ってみようと大王崎灯台へ向かう。ボクは高所恐怖症のため灯台に登ることはないのだけれど、灯台付近から見る海の景色は好きだ。
灯台で海を見ながら志摩半島付近で野宿するか、それとも伊勢神宮に滑り込むか悩んだものの決めきることができなかった。
悩みながらもバイクを走らせ、「道の駅伊勢志摩」に立ち寄りスタンプを押印。この時点で15時。神社は17時で締まるためかなりギリギリだよなーと調べてみると、伊勢神宮は夏の間は18:30まで参拝可能だったため、それならばと向かうことにした。
そしていつものようにナビの画面をみながらピンを刺さず、「伊勢神宮 駐車場」で設定したために、このあと多いに地獄を見ることとなった。
険道12号線(伊勢南勢線)
道の駅から伊勢神宮駐車場までは総距離30kmなのに、なぜか所要時間2時間40分となっていた。なぜ……?ととくに疑問を持たず、走っていれば変わるだろうとナビに案内されるまま走り、「あ、これはもしややばいルートを案内されているのでは」と気付いたときには既に遅かった。
あまりにも対面すれ違いなどできそうにもないほどの狭い道幅と、荒れ果てた路面。雨で堆積した土。そして曲がりに曲がりくねった道が続く。そしていつ終わるのか見えない森の中。ひたすら早く終わって欲しいと祈りながら進んでいると、やっとこさ伊勢神宮の御手洗川が見えた。
そのときになってはじめて設定した駐車場がどこにあるのかを理解。
いつもどうやって停めているのか不思議に思っていた内宮入口手前の場所だった。
駐車後、急ぎ参拝。これで3年連続参拝しているけれど、特にご利益らしいご利益があるわけではないので、今回で禊完了ということにしたい。
たまき水辺の楽校(無料のキャンプ場)
伊勢神宮の参拝後、閉まりかけている赤福でなんとか8個入を購入。おかげ横丁も神宮の閉門に伴い閉店しつつあったので少しだけ歩いて雰囲気を楽しんだあと退出。
駐車場でスマートフォンと沈みゆく太陽を交互に眺めながら、伊勢付近で野宿できる場所を探すか、もしくはもう高速道路で夜通し走って帰るかを大いに悩んだ。
もともとは4日に帰ろうかなーという適当な予定を立てていたため、この日に無理に帰る理由はなかった。なかったのだけれど、さりとて翌日何かしたい、どこか行きたいがパッと思いつかなかった。どうしたものかなーとGoogleMapで野営地を探していると、「たまき水辺の学校」というキャンプ場が伊勢市からほど近い、宮川沿いの河川敷に町営キャンプ場として開かれていた。しかも無料である。
いやいやこのGW初日に無料のキャンプ場が空いているわけが……とダメ元で訪れてみると、なんとまだ設営スペースがあり野営ができそうだった。
カラスの鳴き声と沈みゆく太陽を眺めながらまたしばらく悩んだ……結果、帰ることにした。しかしこの日は朝6時起きで休まず活動しているたこともあり、昨日は入浴もできていなかったため、休憩と入浴、そして横になって休みたいと考え付近の温泉を探す。すると別の投稿でも書いた高速ICにほど近い場所にある「VISON」が目に止まり、またしてもGoogleMapのレビューコメントが好評だったこともあって向かうことにした。
VISONまでの道中、どこか懐かしさを覚えるドライブインや「この令和の時代にこのようなレトロな洋食屋がまだ健在なのか…」と感動するレストランに後ろ髪を大いに引かれた。次は必ず立ち寄ろうと思う。
VISONの詳細はそちらの投稿で書いたので割愛。
本命の入浴施設「本草湯」は 高級スパ施設という感じの作り。入浴料は土日祝日価格で¥1,500。天然温泉ではないため割高だと感じることもあるかもしれないが、施設名の「本草湯」は施設がある多気町で江戸時代より栄えてきた「本草学」という薬草学に起因している。つまり薬草湯。
浴室は内湯と外湯があり、その先にはサウナ施設もあった。ボクはそこまでサウナが好きというわけではないのでお風呂にだけ浸かる。心地よい温度と日が沈むと涼しくなる季節だったので火照った体を風が気持ちよく冷ましてくれる。
個人的に「本草湯」のアメニティがかなり気に入ったのだけれど、ボディーソープだけでも1kg ¥4,500(詰替え用)と結構な価格。悩んだ末にどうしても欲しくなったらオンラインで買おうと思った。
浴室からでると広い畳が敷かれた休憩所があったので横になる。
しかしVISONは家族・カップル向けともいえる施設なため独り身は少々居心地が悪い。くわえて元気な子どもの声で寝るのも難しかった。
ただしばらく横になれただけでもだいぶ疲れを取ることはできた。
VISONの中でも本草湯は施設群の中では一番奥の高台にある。駐車場から出てVISIONを上から眺めながら降りていくと、視界の端で施設の温かなオレンジ色の光が見え、その光の下では楽しそうな家族とカップルが食事を楽しんでいて、みんな笑顔で印象的だった。その光景を見てボクの心は暖かくなったし、また伊勢に来たときは立ち寄ろうとも思えた。
勢和多気ICから高速道路に乗り込む。
長い高速道路の始まりでもあり、旅の終わりの時間が始まった。
ナビを自宅に設定すると、執拗に新東名に向かわせようとするのでいつも通りナビは切った。どこかへ行きたいのではなく、どこか知らないところへ行きたい旅では誰も道案内をしてくれない。迷いながら進んだり、戻ったりする、そんな人生の縮図のような旅を楽しみたいんだ。
道路を照らす明かりが少ない伊勢高速道路を走る。
行きのときも思ったけれど、ボクは夜闇の中、一人でひたすら走るだけの旅が嫌いではない。
バイクに乗り始めたころは知らない地名だらけだったけれど、最近ではだいたいの地名も覚えることができた。そのため看板を見れば大よその残距離・時間も認識できていた。
あとは無事に気を付けて安全運転で帰るだけ。
焦る理由もない。
行きと違い時間を気にすることなく、のんびりと夜の高速道路を楽しみながら帰路についた。
あとがき
今回は旅費がそこそこ苦しかったので、万博往復でも良いかなーと当初は考えていた。去年の北陸旅では、なんだかんだでテント野営してもそれなりに旅費が掛かったと印象があったためだ。
結局今回も旅費云々でいうと、大きな出費項目では
- 大阪万博 平日2日 ¥6,000 x2
- 東大阪市ホテル宿泊2日 ¥14,800
- 万博のお土産や人形類 ¥13,000ほど
- ガソリン代 ¥18,000ほど(総走行距離1,300km / 220kmで12L消費 / 高速給油4回)
- 高速料金 ¥12,000ほど(二輪定額割使用)
これに加えて食事代や雑費が加わる。
最近は自室に居ても結構お金が減っていくなーという感覚があるので、旅先だと余計にお金が減っていく印象がある。
もう旅は贅沢な趣味となったのだ…。
それでも知らない場所へ走りに行き、天気の良い中バイクで走ることは、今の自分にとっては最高の余暇の過ごし方だと感じる。お金を使ってしまったという後悔はあれど、得られる満足感と自由には代えがたい。
今年の夏はどこへ行こうかな……。


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